面影 book&craft

時間とは何か

販売価格 価格 ¥880 通常価格 単価  あたり 

税込 配送料は購入手続き時に計算されます。

時間とは何か / 著者・池内了、イラスト・ヨシタケシンスケ / 筑摩書房




時間を感じているのは何か




親の影響なのか育ってきた時代がそうだったのか、自分の価値観の中に「時間」というものが重要な要素になっている。例えばそれが働くということであった場合、長い時間を拘束されて高い報酬を得られる仕事があっても自分はあまり魅力的には思わない。その仕事自体の内容にもよるのだけれど、それより何より自分の「時間」の選択肢が極端に制限されてしまうような窮屈さをまず真っ先に感じてしまうからだ。

この積み重なった「時間」に対する感覚は意外と厄介なもので、待ち合わせの時に特に顕著なのだが、相手の「時間」的な拘束や制限なども頭にチラついてしまうので、大体が5分前、いや正直なところ30分前には待ち合わせ場所を一度見にいき、もう遅れる心配がないことを確証してからどこかで暇を潰したあと、あたかも5分前に来たことを装って待ち合わせ場所に集合するなんてこともしばしば。いや、あなた、それこそ自分の「時間」を要らぬ心配によって無駄遣いしているのでは、なんて思ってしまうけれど、この性分はなかなか拭い去ることは難しいのだ。

では、「時間」を考えるあまり、「時間」に急かされている日々を送っているのかといえば、そうではない。田畑で感じる「時間」はとてもゆったりとしていているし、その中で過ごしている時には目の前の状況に応じて作業を行なっていることも相まって自然と一体になっている感覚すら覚えるのだ。待ち合わせや仕事の時に感じる「時間」感覚とは全く違う理由は日々感じていたのだが、本書『時間とは何か』を読み進めてみると、「時間」というものは古来から太陽の動きや天体の動き、もとい自然の法則を人間が見えるカタチにしたものということがわかるはずだ。この自然の法則を見えるカタチにせずとも、田畑などの自然の中に身を投じていることによって、本来あるべき「時間」と融合することができるのだろうと自己理解してみているのだ。

ここまで書いていると改めて「時間」って何だろうと思ってしまう。この問いに、私たちはきっとうまく答えることができない。「時間」は目に見えないし、形がないし。誰にも共通して流れているはずなのに、人により、時により、流れ方や感じ方がさまざまだ。でも、誰にとってもひとしなみに大切な問題なのがこの「時間」──。ヨシタケシンスケさんのイラストとともに、「時間」の本質について思いをめぐらし、この不思議さを考えることのできる一冊。

「時間」とは一体何なのだろうか。



<目次>
はじめに


第1章 時間の感覚

体は時間の感覚器/伸び縮みする時間


第2章 物理時間

時間を決める第一歩/時計の発明


第3章 時間の決め方の歴史

時間の区切り/カレンダー/日本の暦/日本の時間の決め方/標準時/昔の呼び方


第4章 自然が刻む時計

生物のリズム/宇宙のリズム


第5章 過去の時間を測る

宇宙の時間/地球と生物の時間/生命の分子時計


第6章 動物がもつ固有時間

動物の体重と必要なエネルギー/動物の体重と寿命/動物の体重と脈拍の周期/動物の固有時間


第7章 絶対時間と相対時間

速く運動すると時計がゆっくり動く/タイムマシン


第8章 心理時間

時間どろぼう/心理時間のいろいろ




池内 了
1944年生まれ。宇宙物理学者。京都大学理学部物理学科卒業。同大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士(物理学)。名古屋大学名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。主な著書に、『なぜ科学を学ぶのか』(ちくまプリマー新書)、『物理学と神』『物理学の原理と法則』(いずれも講談社学術文庫)、『疑似科学入門』(岩波新書)、『科学メガネ読本』(アノニマ・スタジオ)などがある。


ヨシタケシンスケ
1973
年生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。主な著作に『りんごかもしれない』『もうぬげない』(以上、ブロンズ新社)、『りゆうがあります』『なつみはなんにでもなれる』(以上、PHP研究所)、『しかもフタが無い』『ヨイヨワネあおむけ編』『ヨイヨワネうつぶせ編』(以上、ちくま文庫)がある。

x