OMOKAGE COLLECTION
The modern classic products
OMOKAGE COLLECTIONは、面影 book&craftとの関係性のある
クラフトマン、デザイナー、職人、メーカーとのコラボレーションによるオリジナルプロダクトです。
そのほとんどは、独自のスタジオやアトリエでローカルに作られています。
これらのプロダクトは、日常生活の中で非日常を感じさせて、あなたの生活をより豊かにしてくれることでしょう。
素材はすべて自然なものを選び、その多くは時間が経つにつれて自然な風合いを増していきます。
また過去の作品からインスピレーションをもとにプロダクトが制作されているので、どこか新しさの中に懐かしさや親しみやすさなどを発見できるはずです。
このコレクションは時間をかけてゆっくりと育まれ、有機的に成長していきます。
本歌取り
Honkadori
ある特定の古歌の表現を踏まえたことを読者に明示し、尚且つ新しさを感じられるように歌を読むことを和歌の世界で『本歌取り』といいます。これは12世紀後半ごろからはじまり13世紀に流行した和歌の作成手法なのですが、日本の写真家、現代美術作家、建築家、演出家で知られる杉本博司さんはこの『本歌取り』こそ日本文化に流れる通奏低音なのではないかと考え、自身の写真やアートワークのインスピレーションの源とされています。
現代の馴染みのあるものを例にとっても、食などでは顕著ですが、カレーパンやラーメンなどといった日本人ならではの独自の解釈が加えられ新たなものを生み出してしまう日本人のアイデンティティやエネルギーの原点には、このような『本歌取り』の要素や精神が宿っているように思われます。
また同時に氏の著書を拝読したり、自身のライフワークでもある様々なクリエイター、クラフトマン、デザイナーへのインタビューを振り返ってみても、多かれ少なかれこの『本歌取り』の手法は、ものづくりを志し実践している者たちの創作プロセスの中に自然と溶け込んでいることが分かります。真にオリジナルであることは難しく日々何かしらから影響を受け作られ、ものは存在します。その源である対象物は、物質性のあるものだけに限らず、感覚などの言葉で言い表せない心象風景をもとに次の創作へと昇華させていくこともあるように思うのです。
OMOKAGE COLLECTIONはこの『本歌取り』の手法を応用し、オリジナルプロダクトを育ててきます。
クリエイティビティの面影
The omokage of creativity
OMOKAGE COLLECTIONのオリジナルプロダクトは、そのプロダクト自体の魅力や機能性について写真や文章でお伝えするだけでなく、どのような思考に基づいてプロダクトがカタチになっていったのかというところにフォーカスを当てていきます。
むしろプロダクトそのものよりは、そういった作り手たちのクリエイティビティや思考やアイデアの浮遊感などの目には見えないモノについての部分の方が本質を得ていて、謂わばそのアイデアやクリエイティビティの帰結した先の証としてのプロダクトなのだという考えに基づいています。
プロセスのはじめには、ローカルの作り手の方たちに、“クリエイティビティの面影”として、面影 book&craftから別の作り手の方たちが以前生み出してもらったモノの要素や、過去の古物、感覚レベルの心象風景などを提示させていただきます。その要素を基に新たなプロダクトを生み出していきます。そしてこのアイデアのインスピレーションの源でもある『本歌取り』にならって、その“クリエイティビティの面影”もしっかりと明示し、クリエイティビティの連鎖を可視化していこうと考えています。
このようなプロセスを経ることで、新しいモノの中から懐かしさを見出し、古いモノの中から新しい発見を生み出すような視点や養われていくように思います。OMOKAGE COLLECTIONに"The modern classic product"というタグラインをつけた所以はそこにあります。
modernとclassicという相反する意味が融合された感覚をプロダクトやメディアから感じ取っていただければ幸いです。
思いもよらないことに、思いを寄せて。