Exhibition No.18 : SARAXJIJI POPUP STORE / café de SARAXJIJI ~静寂のリズム~

 

用と美を兼ね備えた「身に纏う 日常の道具」をコンセプトに着心地のよい素材とシンプルなデザインで”日々の中のささやかな喜び”を与えてくれるファッションブランド「SARAXJIJI(サラジジ)」。


このたび面影 book&craft にて、昨年に続き2回目となるPOPUPを開催いたします。

昨年は春夏アイテムでしたが、今年は秋冬アイテムのご紹介です。


SARAXJIJI定番素材のラフィーガーゼのカットソーを始めこれからの肌寒い季節に使えるウール素材のアイテムやコートなどが並びます。


今季のテーマは「calmato(カルマート)」。

静かという意味の音楽用語で、落ち着きや静けさを穏やかにゆっくりと表現するときに使われるそうです。

日々の喧騒から離れて静かな時間を過ごすことの豊かさ。

SARAXJIJIのお洋服はそんな豊かな時間に優しく、柔らかく寄り添ってくれます。


たくさん試着をして、着心地の良さをじっくりと味わってみてください。


またSARAXJIJIとのコラボレーション企画で、季節ごとにアートブックを紹介している「traceの秋のセレクトをSARAXJIJIのイメージやテーマに合わせて錦多希子さんに選書いただくことになりました。


SARAXJIJIの世界観とアートブックという一冊の書物の中にこめられた豊かな世界の広がりの交差を楽しみながら、お洋服にもアートブックにもゆっくりと五感をひらいて触れてみてください。


そして久しぶりの登場、松本「菓子 壱」さんの焼き菓子もPOPUP期間中に販売をいたします。

昨年のPOPUPのときにも焼菓子をご用意いただきましたが、今年は秋冬の旬の食材を使った焼菓子をお作りいただく予定です。

ラインナップや販売日は近くなりましたらお知らせしますので、どうぞお楽しみに。


SARAXJIJIのお洋服を直接手にとれる貴重な機会ですので、ぜひお気軽に足をお運びください。ご試着だけでも大歓迎ですよ。

日々の生活を、お洋服から心豊かに。



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Exhibition No.18 : SARAXJIJI POPUP STORE / café de SARAXJIJI ~静寂のリズム~ 

会期: 2024118()1124()
※今回はデザイナー野田ひろみさんの在廊はありません

会場面影 book&craft(〒386-0015 長野県上田市中央1-6-19-1F)

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about SARAXJIJI

 

熊本を拠点に活動するファッションブランド「SARAXJIJI(サラジジ)」。

「身に纏う日常の道具」として長く愛用できるデザインと着心地の良さが特徴。定番や新作の衣服は熊本のアトリエや各地のギャラリーやお店で開催されるシーズン毎の展示会を中心に販売。日本だけでなく、フランス・パリのギャラリーでも定期的に展示会を開催。デザイナーの野田ひろみさんは住宅・インテリア関係の仕事を出産を機に退職し、娘さんへの服・小物作りをきっかけに独学で服のデザインを始め、SARAXJIJIをスタート。

https://www.sarajiji.com/

 

about 『café de SARAXJIJI』

 

café de SARAXJIJIは、架空のカフェ。
日常の喧騒を離れた小径にひっそりと佇む一軒の建物の扉を開けるとそこは少しスロウな時間が流れています。

SARAXJIJIは年に一回フランス・パリでPOPUPを開催していて何かとインスピレーションの源になっている場所だそう。今回のPOPUPでも、面影 book&craftのある小径をパリの大通りから少し入った小径と見立てて、スロウな時間やお洋服の素材や形、そして焼き菓子などで味わっていただきたいと思います。

 

 

prologue
- 静寂の記憶 -


 

果たして静かな場所に行けば、『静寂』というモノに出逢えるのだろうか。
実際に『静寂』に出逢うことは、特に今の時代は最も難しいことなのかもしれない。

 

僕が『静寂』というモノに初めて出逢ったのは、今から14年ほど前のフィンランドの首都ヘルシンキに降り立った時だった。初の海外、そして初の一人旅ということもあったのだが、その経験は後の僕の人生を動かす大きな出来事だったように振り返ることができる。


成田空港から10時間ほどの空の旅の中でも、『一人で冒険に出た』という事実に対する高揚感と、これから経験するであろう不安が入り混じり、結果機内では一睡もできず、座席の前のスクリーンに流れる映画もそこそこ、初のイミグレーションでの係員とのやり取りや受け答えをただひたすら脳内シミュレーションでほぼ念仏のように頭の中で唱えていた10時間だったように思い起こされる。

ヘルシンキ・ヴァンター国際空港に着陸30分前、客室乗務員から現地の天候が小雨が降っているとのアナウンスが入る。異国の地の始まりは雨か、と少し気落ちしたのも束の間、この時間帯になってくると逆に開き直ってきており、もはや何でも来いといったような心持ちになりその時を待っていた。ひたすら分厚い雲の中を地上に向かって降下していると、ある地点から雲を通り抜けた途端に、フィンランドの代名詞ともいえる森と湖が眼下に広がってきた。


着陸後、隊列を成し飛行機の外に出て空港に入るとある種の違和感を感じた。空港という場所では必ずあるといって良い、案内のアナウンスが一切流れないのだ。今でこそ多少の空港内のアナウンスもされるようになったようだが、その2010年当時の北欧諸国の公共交通機関ではほぼアナウンスが皆無といった具合だったのだ。素直にイミグレーションに進みたくなく、そんな感覚的な異国での違和感をぼんやり感じていると、先ほどまで降っていた小雨が止み、いつの間にか青空が広がっていた。

 

 

ヘルシンキ市内に入ってもあるはずの都市の“音”というものがないことに気がつく。スーパーマーケットに入っても耳障りなBGMも流れておらず、それは人の足音ですら鮮明に聞き取れてしまうほど。その後も街を散策し至る所に顔を出しても、僕たちが日本で感じている日常の“ノイズ”というものが一切なく、木々が風にたなびく音や人々の会話などの自然な街の息遣いが溢れていることが何だか一番心地よいのだと感じたのだった。それが僕の『静寂』との出逢いだった。

 

感覚的な心地よさの中に『静寂』というものは、隠れているのだろう。
それは、電気のスイッチのようなもので、気がつけば押せるだろうし、気がつかなければその存在すらも認知されない。
熊本のファッションブランド『SARAXJIJI』の衣服は、まさに自身の中に眠る『静寂』という感覚を呼び起こしてくれるスイッチになってくれるだろう。

より感覚的に。より自然に。

 

2024年11月 面影 book&craft  店主

 

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