愛すること / 著者・ティク・ナット・ハン / 河出書房新社
愛は平和活動
ティク・ナット・ハンはベトナム出身の僧侶で、ベトナム戦争時代に「行動する仏教」運動を掲げながら平和運動を続けました。マインドフルネスの実践を広めた平和活動家であり、瞑想実践者、詩人、作家でもあります。
著作も多く残し、瞑想や禅、内面の気づきなどテーマは多岐にわたりますが、本書のテーマは「愛」について。
「誰かに幸せを分け与えるためには、まずあなた自身が幸せでなくてはなりません。」(ー24P)
「あなたが自分の心と体を肯定しないかぎり、安らぎの場はありません。」(ー31P)
「私たちの思考は、時に堂々めぐりを繰り返し、私たちは不信や悲観、対立、孤独、嫉妬の渦に巻き込まれてしまいます。
こうした心の状態は自ずと私たちの言動に現れて、自分やまわりの人々を傷つけてしまうのです。」(ー58P)
短く平易な言葉ながら、本質的で優しさに満ちた文章を読んでいるうちに意識が自ずと自分の内面へと向かわされます。
「愛」は万人に向けられる広い意味かと思いきや、本書では一対一で向かい合う「愛」についても多く語られているため、パートナーシップに関心がある方、自分ごととして日々考えている方にもとくにおすすめしたい内容です。
「愛」は他者とコミュニケーションを図るうえで欠かせないもの。
当たり前にあるようで意識して育んでいかないと、いつしか他者との関係性にズレを生み出してしまうほど大切で、根っこの部分でもあります。
まずは自分を大事にできているかな、自分にダメ出しばかりしてしまっていないかな、
考えが対立してしまった時に相手のことを変えようとしていないかな、
相手と向き合うなかでしか、成長できないこともあります。
ぶつかるほどに理解し合える。自分も他者もどんどん丸ごと受け入れられるようになっていく。
そうやってまんまるな「愛」に近づいていけたら、自分の平和が世界の平和につながる。
綺麗ごとのように聞こえるかもしれないけれど、某ドラマのセリフにあったようにきっと綺麗なことなのです。
読むだけで心が平和になる本。
ご自分や大切な人への贈り物にもぴったりです。
<目次>
※目次より一部抜粋
◎愛についての覚え書き
理解とは愛の本当の姿/真実の愛の4つの要素(エレメント)/尊重と信頼/美しいありのままのあなたで/心のお花に水やりを/心の根をおろす/言い争いを防ぐ呼吸/コンプレックスからの解放/気づきのエネルギー/プライド/遠き人との和解/過ち/深く耳を傾け合う/無我(ノー・セルフ)/「幸せ像」を手放す/許し
◎真実の愛を育む実践
6つの魔法の言葉(マントラ)/愛の瞑想/思いやって聴く/良い種に水やりを/抱き合う瞑想/5つの気づき
ティク・ナット・ハン
1926年、ベトナム生まれの禅僧、平和運動家。ダライ・ラマ14世と並び称される世界的な仏教者で、マインドフルネスの提唱と普及に努め、地球温暖化に警鐘を鳴らす。ノーベル平和賞の候補にもなり、著書多数。


