世界はうつくしいと / 著者・長田弘 / みすず書房
『世界はうつくしいと』は、そう言っていいなら、寛ぎのときのための詩集である。二十七篇の詩は、六年の日月をかけ、季節が一つめぐってくる毎に一つずつ、目の前の風景のなかにひそむ消滅点を一つずつ、じぶんの指で確かめるようにして、ゆっくり書き継がれた。ここにあるのは深く緩やかな言葉である。だれもが感じる日々の感興が、奥行きのある知性とますます自在な詩法で書き留められた、大人のためのポエム・コレクション。
＜栗田 脩さんのことば＞
こんな詩が書けたら、と思わせてくれる詩に出会うことはとても素敵なことです。
でもたとえば同じような詩を書くことができたとしても、誰かとおなじ詩を書くことはできないのです。
詩を書きはじめた頃、“自分の詩とはなにか“という旅路で出会った一冊です。
＜目次＞
窓のある物語
机のまえの時間
なくてはならないもの
世界はうつくしいと
人生の午後のある日
みんな、どこへいったか
大いなる、小さなものについて
フリードリヒの一枚の絵
二〇〇四年冬の、或る午後
シェーカー・ロッキング・チェア〔ほか〕
長田弘
詩人。１９３９年福島市に生まれる。１９６３年早稲田大学第一文学部卒業。１９７１‐７２年北米アイオワ大学国際創作プログラム客員詩人。毎日出版文化賞（８２）桑原武夫学芸賞（９８）講談社出版文化賞（２０００）詩歌文学館賞（０９）などを受賞
