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かえっていく場所

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かえっていく場所 / 著者・椎名誠 / 集英社文庫

 

三十年住んだ武蔵野の地を離れ、妻とふたりで都心へと居を移した「私」。ゆっくりと確実に変化していく日常と、家族の形。近づいてくる老いと沈殿していく疲れを自覚しながら、相変わらず取材旅行に駆けまわる毎日だ。そんなとき、古い友人の悪い報せが「私」を大きく揺るがせる…。『岳物語』から二十余年。たくさんの出会いと別れとを、静かなまなざしですくいとる椎名的私小説の集大成。

 

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こちらの一冊は、yahae代表の野村泰嵩さんに、こころに残っている本を選書していただきました。

 

昔から国内の旅は大好きでした。

ただ、言葉の通じない海外に行きたい!というようなチャレンジ精神は持ち合わせていなかったのですが、その反面、探究心を本で代替するようなところがあり、探検系が大好きでした。全く未知な海外に思いを馳せながら、自分は住み慣れた日本でゆったりと暮らしたい、というような性根でした。


◯開高健

男臭い感じのダンディな言葉選びがとてもかっこいい作品が多いです。

そして基本的にはエッセイなのですが、釣り、食事、人間関係に関わる描写が非常にリアルで、まるで自分も同席しているかのような、擬似体験が可能です。

また、作品の登場人物(主に筆者自身ですが)が絶望すれすれの状況にあっても、常に前向きに物事を捉えて、難局を乗り越えている感じも良いです。

躁鬱病で晩年苦しんでいたという開高健さんですが、圧倒的な「乗り越えてきた感」が随所に散見されて、開高健という人に魅了されてしまいます。

最後に、彼が書く料理の描写がとてもいいです。

だいたい旅先で食べる現地のローカル料理が多いのですが、ラフな説明ながら料理の魅了を端的に表現されていて、それがいつも非常に美味しそうに写ります。


◯上野国久

基本的には釣りのエッセイなのですが、英国の奥深い釣り文化への記述が非常に面白い。釣り以外にも通じる英国のgentle文化についての書籍とも言えると思います。後半は魚釣りと人生を掛け合わせた、人間味溢れるエッセイが続き、綺麗な挿絵と一緒に楽しめます。

gntle-mindという考え方は、今の日々でも常にリマインドしながら、私の座右の銘としています。


◯椎名誠

読書感想文で一番お世話になりました。

中学から高校にかけて、読み漁った記憶があります。

旅行中の駅のキオスクや駅前の本屋さんなどでよく買うイメージです。旅行のお供に最適で、特に電車旅行にちょうどいい厚さ、内容感だと思います。

最近はスマホとかをいじってしまうことが多いですが、昔の椎名さんの本を読みながら過ごしていた時間は、旅のワンシーンとして良い思い出に残っています。

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