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しじんのゆうびんやさん

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しじんのゆうびんやさん / 著者・斉藤倫 / 偕成社



言葉の絵本



小学生の頃、国語が苦手だった。文章の作者の意図なんか知ったことではなかったし、問題で出された問いかけの答えが一つなわけもない。第一僕は作者ではない、なんて生意気なことを言っていたのだ。けれど詩は正解も不正解もなく、自由なものと感じられていて、その後、詩との距離はだいぶ広がってしまったけれど、いくつか詩を作ったりもしていた。以下は自分が小学校低学年の時に作った詩だ。



たんぽぽわたげ


わたげがふわふわしている

どんなにおいだろう

どこまでもどこまでもとんでいき

かぜのゆくえにみをまかせ

ついたさきがゆきさきに

まだみぬばしょはいまはどこ

わたげがふわふわしている



大人になって詩は自分が考えてきたことと、自分が考えてもみなかったことが出合う場のようなものなのだと感じている。そして無理やり書くことでもないし、書いてないことを考えさせるものなのだとも言えるのではないだろうか。



そんな詩との関わりいをもう一度思い出させてくれたのが、本書『しじんのゆうびんやさん』だ。ちいさな街のちいさな郵便局ではたらくふたり、ガイトーとトリノス。 ある日、ガイトーは、一度も手紙をもらったことがないという 灯台守のじいさんに、「手紙」を書いてみることにした。 「みょうなてがみもあったもんだ」 配達したトリノスがつぶやくと、灯台守はこういった。 「あんた、しらないのか。これは、詩、って、もんだよ」 詩って、なんだろう? その輪郭をやわらかに描き出す、詩人が書く「しじん」の物語。


気づいたら物語の世界に引き込まれてしまうようなそんなお話。
この一冊が一編の詩なのではないだろうか。
そんな言葉の絵本のような一冊。

プレゼントにもおすすめ。

 

 

 

斉藤倫
詩人。2004年、詩集『手をふる 手をふる』(あざみ書房)でデビュー。2014年、はじめての長篇物語『どろぼうのどろぼん』を発表。同作で、第48回日本児童文学者協会新人賞、第64回小学館児童出版文化賞を受賞。おもな作品に『波うちぎわのシアン』、『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』、『ポエトリー・ドッグス』、「まいごのかぎ」(光村図書『こくご 三上』)。うきまるとの共作絵本として、『はるとあき』(絵 吉田尚令)、『レミーさんのひきだし』(絵 くらはしれい)、『のせのせ せーの』(絵 くの まり)などがある。また『えーえんとくちから 笹井宏之作品集』(PARCO出版)に編集委員として関わる。近作に、『私立探検家学園』シリーズ(画 桑原太矩)、『おやすみまくら』(絵 牧野千穂)など。2025年、『しじんのゆうびんやさん』で、第63回野間児童文芸賞を受賞。

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