朝のデザインさん / 夜のデザインさん / 著者・祖父江 慎 / パイインターナショナル
140字のデザイン論
煮詰まる。とにかく煮詰まるのだ。
それは文章を書く時も、何かをデザインする時にも。
何か突破口があれば、あとは雪崩のようにそれまでの煮詰まりがなんだったのかと思ってしまうほど、あっけらかんとできてしまうものなのだけれど、その突破口がなんなのか分からないし、時と場合によってそれが違ってくるから待つしかない。そう、降りてくるのを。
そのために色々なことをする。その分野に関係のない本を読んだり。近所をランニングしてみたり。温泉につかってみたり。自己流の降りてくる待ちの姿勢に限界が来たらぜひこの本を手にしてもらいたい。
それが本書『朝のデザインさん』と『夜のデザインさん』だ。ブックデザイナー祖父江慎が15年にわたりTwitter/Xでつぶやいてきた言葉たちが一冊にまとまっている。一ページに一つのツイートが記載されているのだが、起承転結や物語性もないので、何か煮詰まったらパッと直感的にページをひらけば、あなたの欲しかった金言を手に入れることができるかもしれない。
僕がパッと開いたところにはこんな言葉が書かれていた。
「デザインはするものではなく、なっていくのを応援するもの」
正確にはもう少し尾鰭がついていたように思うけれど、この言葉を読んだ時になぜか肩の力が抜けて何か動き出したくなる衝動に駆られた。この本に載っている言葉にはそんなチカラがきっとあるのだろう。
悩めるヤングデザイナーさんたちに向け「デザインってそもそもなんだっけ?」というところから、ブックデザインのおもしろさ、楽しさ、不思議さについて書いてきたものを集めている140字のデザイン論。
「朝のデザインさん」は、デザインってなんだっけ?ってことを一緒に考えたり、ブックデザインに関する具体的なあれこれについてなんだけれど、こちらの『夜のデザインさん』は、徒然なるままのひとりごと、って感じです。
形における生と死。
生があるから死があるし、死があるから生がある、ってぼくはつねづね思っているんですが、そんな気分で深夜や早朝、そしてデザイン作業の合間合間に書いたものを集めてみました。
どちらもどうぞよろしくね。
2026年2月16日祖父江慎
(「夜のデザインさん」のあとがきより)
祖父江慎
ブックデザイナー・アートディレクター。 あらゆるものに対する「うっとり力」「うまくいかないよろこび」を軸とし、多彩なジャンルにわたる多様なブックデザインを行う。また展覧会の空間ディレクション、図録デザイン・グッズデザイン、ロゴデザインも行うなど、幅広く活躍。著書に『祖父江慎+コズフィッシュ』『朝のデザインさん』(パイ インターナショナル刊) 。







