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日本人と植物:衣食住から毒と薬まで

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日本人と植物:衣食住から毒と薬まで / 著者・船山信次 / 原書房



植物たちを纏う



薪ストーブを使い始めて一年目。信州の厳しい冬の寒さもピークの時はマイナス10℃に外気温がなっていても室内温度は薪ストーブを使っていれば20℃以上をキープするような状態になる。家の断熱性能もさることながら、薪ストーブからの暖というものは、エアコンのそれとは比較にならないくらい、体の芯を温めてくれる。ものの本によると、この遠赤外線の温かさは太陽の温かさと近いようで、そういった意味でももはや離れ難いのだ。おかげで今シーズンは一度もエアコンで暖房をつけていない。でもよくよく考えてみると、薪の原料は木であって植物なのだ。木の中にこれだけのエネルギー量があると知ったのは、この薪ストーブのおかげなのだが、こうした薪に限らず、私たちが生きていく中で身に纏っている衣服も綿や麻だったり、食べるものは皆植物から有難くいただいているのだ。こうして視点を少し変えてみると、自分は自分の意思で生きていると思ってしまうけれど、他の動植物と同じようにそれぞれが補い合い、植物たちに生かしてもらっているのだということを感じざるを得ない。


さて、本書『日本人と植物:衣食住から毒と薬まで』は私たち日本人がどのように植物と共にしながら生きてきたのかということを農耕、祭礼、文学、園芸、医療、そして現代の社会問題の切り口で論じている一冊だ。

日本人は古代から現代に至るまで、稲作や衣食住、祭礼や文学、園芸や薬草など、あらゆる場面で植物と深く関わってきた。本書は、万葉集や遣唐使の記録、江戸の園芸文化や幕末のプラントハンター、近代科学の発展をたどりながら、日本人と植物の「絆」を描き出す。さらに毒草や薬草など有用植物について紹介し、四季の行事や生活習慣の中に息づく植物のすがたを明らかにする。


一冊を読み終えた頃には、私が今ここにいるというのが、あらゆる植物たちの間で生かされているということを実感することになるだろう。


ぜひ手に取っていただきたい。



<目次>
 凡例

 はじめに


序章 地球の誕生そして人類と植物との出会い

    植物と人類との遭遇

    人類と衣食住

    世界四大文明と植物


第1章 古代の日本人と植物

    古代日本における植物の記録

    古代日本にもたらされた植物

    正倉院と植物

    万葉集・源氏物語・枕草子と植物


第2章 中世から近世の日本人と植物

    本草学から植物学へ

    江戸時代の園芸の隆盛

    薬用植物の成分を調べる


第3章 人類と麻薬の遭遇

    人類とアヘンの遭遇

    歴史を変えた麻薬や関連化合物とその原料植物

    科学の発展と麻薬の関係


第4章 幕末から明治の日本人と植物

    幕末のわが国に滞在したシーボルトとビュルゲル

    わが国にもたらされた植物とわが国を訪れたプラントハンターたち

    幕末から明治のわが国の偉大な科学者たちと植物


第5章 現代の日本人と植物

    日本人と植物の衣食住

    日常の道具と植物

    植物と日本文化

    園芸植物との付き合い


第6章 有用植物あれこれ

    わが国の飲料と植物

    わが国の十大野菜

    フルーツ

    染料と植物と日本人

    毒草と薬草

    主な毒草と日本人

    日本人と重要な薬草


終章 日本人と植物の絆

    地球の歴史と環境変化

    地球環境の変化に影響を与えた植物たち

    日本人と植物とSDGs

    これからの植物と人類の付き合い

    博物学と植物研究の勧め


 おわりに

 参考文献




船山信次
1951年仙台市生まれ。東北大学薬学部卒業、同大学大学院薬学研究科博士課程修了。薬剤師・薬学博士。博士研究員としてイリノイ大学薬学部留学後、(社)北里研究所室長補佐、東北大学薬学部専任講師、青森大学工学部教授、日本薬科大学教授などを経て、現在、日本薬史学会会長・日本薬科大学客員教授。2025年度「日本薬学会教育賞」受賞。主な著書に、『毒と薬の世界史』、『〈麻薬〉のすべて』、『アルカロイド――毒と薬の宝庫』、『毒と薬の科学』、『史上最強カラー図解 毒の科学』、『毒と薬の文化史』、『毒が変えた天平時代』など多数。

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