ビジネスを育てる 新版 いつの時代も変わらない起業と経営の本質 / 著者・ポール・ホーケン / ディスカヴァー・トゥエンティワン
小さくはじめて、大きく広げる
自分のいままでの人生の軸になっているものを振り返ると、ある時代は「サッカー」、またある時は「北欧」、そして今は「自然農」といった感じであろうか。毎回異なる軸に切り替えているのかといえばそうではない。以前までの軸がありつつ、小さな好奇心や探求心を自分の中で育てている感じだ。ちょうど、夏野菜の終わりかけの足元で秋冬野菜の種を蒔き、夏野菜の株に翳りが見え始めた頃に、上手く主役が切り替わっていくようなイメージと言ったらいいのだろうか。
「小さくはじめて、大きく広げる」とちょっとした人生哲学は、本書『ビジネスを育てる』という本を読んでからだったように思う。この本との出会いは、会社員時代だった当時大きな企業で働いており、自分のキャリアに迷っていた時に、当時とても好きだった北欧に絡めた仕事をしてみたく、新卒2年目くらいのタイミングで、「北欧、暮らしの道具店」の中途採用を受けた時に、代表の青木さんに確かおすすめしてもらったのだった。結果として自分はご縁がなくフリーランスの道を歩くことになったのだが、結果としてその時に教えていただいた本書が後にことある場面においてこころの支えになっているのが本書なのだ。
著者ポール・ホーケンは、園芸ガーデニング商品を専門とするカタログ・小売企業「スミス&ホーケン」を設立し、大きな成功を収めた起業家。「成功するビジネスとは、個人がのびのびと自分を表現することでもたらされる」という信念に基づいて”書かれている内容には、
・小さく始める
・アイデアは鼻先にある
・「失敗」のためのビジネスプラン
・顧客を知るには自分を知る
・社員の成長速度より速く会社が成長してはいけない etc.
など、時代を超え、変化の激しい時代の今だからこそ重要になる考え方ばかりである。起業、事業づくりへのヒントはもちろん、仕事に行き詰まり課題を感じている読者の「仕事観」を変えうる一冊だ。
何か小さいアイデアがあるのならば、いきなり大きくでるのではなく、小さく育ててみるのはいかがだろうか。
本書を読めば、何かをはじめたくなること間違いなしだ。
<目次>
第1章 あなたらしさを実現するために
第2章 成功のヒント、成功のワナ
第3章 小さくても大丈夫!
第4章 グッドアイデアだと思ったら時すでに遅し
第5章 成長の秘訣
第6章 お金
第7章 商売のセンス
第8章 まず、顧客に「パーミション」をもらうことから始めよう
第9章 顧客の視点から学ぶ
第10章 よい仲間で良い会社を作ろう
第11章 聖堂守
訳者あとがき
解説 青木耕平
ポール・ホーケン
起業家、作家、活動家であり、環境の持続可能性およびビジネスと環境の関係を変えることに人生を捧げている。経済活動が生態系に与える影響について執筆活動を行い、経済発展、産業エコロジー、環境政策について各国の首脳やCEOにコンサルティングを行っている。
本書『ビジネスを育てる』は、ホーケンがホストを務め制作したPBS(公共放送サービス)17部構成シリーズの基礎となった。115か国でテレビ放映され、1億人以上が視聴した。
著書に『ドローダウン―地球温暖化を逆転させる100の方法』『リジェネレーション 再生―気候危機を今の世代で終わらせる』(ともに山と溪谷社)、『祝福を受けた不安―サステナビリティ革命の可能性』(バジリコ)、『サステナビリティ革命―ビジネスが環境を救う』(ジャパンタイムズ)ほか。

