円相 0

『円相0』

著者：小倉健太郎、高橋佳苗 / 発行：DOOR BOOKS

「円相」というタイトルの冊子の0号(準備号)。

島根県松江市の本屋DOOR店主高橋佳苗さんと、農産加工品事業主の宮内舎の二人が、自分たちを取り巻いている世界について、自分の居る場所で見つめ考え、小説と随筆で表した冊子です。

小説は人間同士の関係性を俯瞰する観点を読者に提供します。

そこで表現できることに注目して筆者は小説を書き始めました。

随筆では、現代に生きる人間の存在について考え続ける中で、過去の偉大な思想家や哲学者の言葉をガイドに、独自の存在論を書かんに読者に投げかけます。

筆者二人は事前のすり合わせを最小限にとどめ、書かれたものから偶然のようにして鍵となる言葉が現れることを良しとしました。

「私という存在が世界全体と結びつくということはどういうことか？」という壮大な問から出発した論考が、どこにでもある人生の一場面を描いた短編の、うごめく何かを浮かび上がらせます。