Rinko Kawauchi | Des oiseaux(On birds)
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Rinko Kawauchi | Des oiseaux(On birds) / 作者・川内倫子 / Editions Xavier Barral
季節の瞬間との待ち合わせ
春の鳥といえばウグイスだと思っていた。いや、実際はそうなのかもしれない。
信州・上田に移住した頃から住んでいたアパートで生活をしている時のそれは違っていた。
その鳥はツバメだった。田んぼに取り囲まれた場所にポツンと佇んでいたアパートだったこともあったので、信州の本格的な春となる5月上旬ごろになると田んぼをトラクターが耕し始め、比喩とかではなく本当に街や空気感が蠢き始める。そんな時、頭上を見上げれば高速で乱飛する黒いツバメの姿をよく見かけた。アパートのポストの軒下の角に毎年毎年巣を作り、親鳥が耕された土の中にいたであろうミミズや虫たちをセッセと雛鳥たちに与えている光景は、田んぼ、トラクター、アパート、ツバメといったプレイヤーたちにとって適材適所という言葉がぴたりとハマるそんな状況だったのだ。この光景を毎年毎年眺めては、人のコントロールが届かない場所で着実にやってくる季節という安心感、そして巡ってきた喜びを感じさせてくれるのだった。
そんなツバメを題材にした写真集が『Rinko Kawauchi | Des oiseaux(On birds)』だ。驚くのは、高速で乱飛するツバメたちや雛鳥を確実に捉えた写真。一瞬絵画のように瞬間を留めた写真は、肉眼で感知できない未知の世界のように思えてしまう。写真家の川内倫子さんは撮影したコロナ禍当時の心落ち着かない日々に一瞬の清涼感や勇気をもたらしてくれたと振り返っている。
どの時代、どの瞬間であっても自然は巡り、日々は続いていくということを肯定的に捉えたオブジェのような一冊。
※ポッドキャスト『面影飛行』でもこちらのアートブックについてより深く語っています。あわせてお聞きください。
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2020年4月、川内は自宅の近所で見つけたツバメの巣、そこで行われていたツバメの子育ての撮影を始めました。 軒先に作られたツバメの巣、餌を求め空を飛行する親ツバメ。
親鳥の帰りを待ちわび、精一杯の口を開けるヒナ鳥、植物の芽吹き、陽光の輝き。
どのような状況にあっても脈々と続いていく生命の営み、そのシンプルな力強さを、静かに見守るように切り取っていく川内の写真は、コロナ禍において、さまざまな制限を余儀なくされ、心落ち着かない日々を過ごす私たちに、一時の清涼感と勇気をもたらしてくれるようです。
鳥類学者、ギレム・ルザッフル(Guilhem Lesaffre)による書き下ろしエッセイ「数グラムのエレガンス」も収録、ツバメの生態系についても興味深く読める一冊です。
黙々と餌を運ぶ親ツバメを見ていると、ただ子供にご飯を食べさせることが、それだけでも親の役目は十分に果たしているよね、とシンプルに思わせてもらえて、なんだか励まされるような気持ちになり、塞いだ気持ちが晴れていくようだった。 ――川内倫子
制作:グザヴィエ・バラル
執筆:ギレム・ルザッフル
定価:5800円(税別)
判型:A4判変形(260 x 205 mm)/ハードカバー(クロス貼り)/104ページ
テキスト:日本語
ISBN978-4-908062-35-3 C0072
発行日:2021年8月中旬予定
*本書はフランスのÉditions Xavier Barral – EXBとの共同出版です。
(ディストリビューターより)
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