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sprout! 2024 WINTER ISSUE

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sprout! 2024 WINTER ISSUE / 編集/発行人・岡澤浩太郎、編集・村松亮、小泉悠莉亜、執筆・櫻井麻美、片桐奈央、デザイン・利根川裕(PLOW)/ 八耀堂



New Organic



世の中には様々な農法がある。自然農に自然農法、天体や暦を意識するバイオダイナミック、有機農法に慣行農法などその数は多岐にわたる。あげればキリがないのだが、どれも自然のリズムに沿って人間が何か手を施していく過程の考えが集約されたものなのだ。人間がこんなにもいて、そして農を行なう場所が無数にある中で、通り一辺倒にこのやり方と決めることも中々難しい。人間の考え方も十人十色で異なれば、その場所その場所の環境だって異なるからだ。つまることろ、その人間一人一人がどのような考えを表現する場が農であり、各種の農法というのは、それを人間たちのエゴや都合によってカテゴライズし名称を付けているだけに過ぎないのだ。雑草も野菜も高い視点で引いて見ればどれも植物“草”であり全ては同じ物事なのだろう。

有機認証なんてもってのももってのほか。これこそ人間たちのエゴそのものなのかもしれない。そういった認証を旗印に利権構造やヒエラルキーなるものが見え隠れしてしまっている。ならば私たち生活者は何を信頼として食べ物を選択するべきなのか。

この問いの自分ならではの現時点での解は、自分の食べるものは自分で作るということに尽きるのだが、それが叶わない方としてみれば、自分が信頼できる農家の方から直接買うそして食べるというこに尽きるのではなかろうか。その農家の方がどのような農法なのかは関係ない。人としての信頼の方がとても大事。その野菜や果実は体と心を込めて自然と向き合った結果なのだから、大いに喜んで私たちは食べようではないか。それが巡り巡って自分自身へとなり変化が生まれてくるのだから。


さて、ちょっと農をかじっている自分ならではの考えをエラそうに論述してみたのだが、そんな気分にさせてくれたのは本書『sprout! 2024 WINTER ISSUE』だ。


『mahora』という書籍を定期的に刊行している信州・小海町の一人出版社・八耀堂さんが新たに出版したマガジンだ。元々は同名のポッドキャストからスタートしていて、自身の拠点とする信州の東信エリアを中心に様々なサスティナブルな活動をしている方たちにインタビューをし音をメインに発信していたメディア活動がこうして形となって手に取れることはリスナーの一人としてはなんだか胸が熱くなるものがある。

そんな創刊号のテーマが『New Organic』と題して、信州で現在進行形で農に携わる方々の話がまとまっているので、冒頭の自身の考えの表明に至った訳だ。

ここにまとまっていることが正解でもない。

ただ実践者たちの声がしっかりとまとまっていることは確か。

それはまさに『萌芽』を意味するsproutという名、そのものなのかもしれない。


以下、版元より。


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移住したい都道府県ランキング18年連続1位(*宝島社『田舎暮らしの本』)、『地球の歩き方』信州版の発売も控えるなど、注目を集める長野県。何がそんなに魅力なのか? 長野移住歴6年目の一人出版社が、長野の地域・人・活動の面白さを紹介するローカル誌を創刊します


初号の特集は「長野 New Organic」。農家、飲食店など県内の生産者・実践者のインタビューを通して持続可能な未来を食の現場から考えます


また本誌は長野県在住者・県に縁のある人だけで制作しています。そんなところからも長野県の魅力を感じていただけましたら!



□□□はじめに□□□


八燿堂は2019年に東京から長野の山間の集落に移住、2024年で移住6年目になります。この間に感じた長野の魅力と言えば、水や空気や食の「美味しさ」、77市町村という圧倒的で多様な「地域ごとの個性」、そしてそこに住み活動する「人」と、人と人との「つながり」でした。


そんな魅力を伝えたくて、『sprout!』という本を創刊することにしました。


県内で活動する市井の人たちの声を集め、隣の誰かに届けること。それがめぐって県内が元気になり、県外から関心を呼び、豊かになること。


そしていつの日か、国内有数の森林県である長野の森から紙をつくり、本にして、流通させることで、地域の自然環境を豊かに再生したい。


そんな本が、長野だけでなく全国各地に誕生している――まさにsprout=芽を出しているように――そんなことを思い描きながら、この本を始めました。



□□□目次□□□

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■特集■

長野 New Organic


[Introduction]

写真=栗田萌瑛さん


[Interview 1]大鹿村 | 開拓者の第二世代

TAKERU ANBASSAさん


[Report 1]佐久 | つながりの輪というオーガニック

柳澤真理さん(Maru Cafe)、有坂満さん、長谷川純恵さん(長谷川治療院農業部)、磯村聡さん(つながり自然農園)、ニック・シコルスキさん(パーマカルチャーもちづき)、鈴木健之助さん(ブリューイングファーマーズ&カンパニー)


[Report 2]信濃町 | VRAC MARKETとVRAC食堂へようこそ

久川史哉さん(VRAC MARKET)、室田HAAS万央里さん(VRAC食堂)、丸山春菜さん(GREEN MARKET Shinanomachi)、鈴木雄一さん(りんもく舎)


[Dialogue]白馬村 | オーガニックを「届ける」ということ

栗田萌瑛さん(えいようフーズ)+加藤ソフィーさん(自然派喫茶Sol)


10トピックでおさらいする「オーガニック」

監修=相川陽一さん(長野大学)


私が考えるオーガニック

前田美沙さん(ヨアケ茶園)、田村至さん(アースデイin佐久)、竹内孝功さん(自然菜園スクール)、谷口和泉さん(野外保育森の子)、とのつかたつおさん(カルパ)


[Interview 2]佐久穂町 | 有機農業という生き方

窪川典子さん(織座農園)

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■信州ニュートリップ■

南佐久ソフトクリーム選手権



■連載■

The Four Elements 01 Water, Kurohime 写真・文=宮本武さん

となりの移住者 第1回 テイ・トウワさん

信州民藝 #01 内山紙

三上奈緒さんの「縄文」感じてる?

コラム・信州「最高の夜の過ごし方」

…東エマさん(PRANA FOREST Life)、山本達也さん(清泉女子大学)、岡本雅恵さん(料理家・atelier Rom)、小林誠太さん(株式会社seee)、上原寿香さん(camino natural Lab.)

リジェネの森 第1回 ディバースライン 天野紗智さん

龍を見た  絵=小城弓子さん 文=青葉市子さん


■次号予告・スタッフ募集■



□□□概要□□□

判型=B5判変形

頁数=80頁

定価=1,600円(消費税/送料別)

ISBN=978-4-908636-08-0


発行=八燿堂

編集/発行人=岡澤浩太郎

編集=村松亮、小泉悠莉亜

執筆=櫻井麻美、片桐奈央

デザイン=利根川裕(PLOW)



八燿堂
2018年に活動を開始、2019年11月に東京から長野県小海町にある小さな集落に移住しました。大量生産・大量消費・大量廃棄の現在の出版業界の構造とは異なる、少部数・直接取引の形態をとりながら、文化的・環境的・地域経済的に持続可能な出版活動を模索しています。

<八燿堂出版物>
mahora 2
mahora 3

mahora 4
mahora 5
農民芸術概論
アマゾンの民具

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