発行:八燿堂 / 編集・発行人:岡澤浩太郎
※創刊号は完売
「mahora(まほら)」とは、美しい場所、すぐれた場所を意味する古語。
『mahora』は、美術や服飾、工芸や手仕事、伝統文化や民俗学、自然の風土や農や土、太古の知恵や日々の暮らし、といった広い領域を、“美” というあり方を通して、横断し、つなぎ、見渡していきます。
この本に散りばめられた “美” が、自然や時の流れと結ばれる、ささやかな扉になることを、願います。 (mahora WEBサイト introページより一部抜粋) https://www.mahora-book.com/
自費出版、少部数で発行されている『mahora』は、私たちの身の回りの暮らしや生活と地続きではあるけれど、実用ではなく、思想を掘り下げるような表現や作品、寄稿で毎号構成されています。
手におさまるサイズの控えめで美しい佇まいの装丁、紙質、印刷の色、手作業で施された結びなど、本自体からもmahoraがもつ空気や気配が伝わるようです。
音楽や美術、映画に心を揺さぶられる瞬間やその心の動きが、生活や自然の中にも存在することを問いかけ、気づかせてくれるような毎号の寄稿は、とても読み応えがあります。
何度読んでも新しい発見があるような。
2号目は、佐賀県唐津市の手漉き和紙のインタビュー記事にあわせて、一点ものの和紙が1枚綴じられています。(その手触りといったら!)
一度手にしたら、もう手放せない本です。
自然や民俗学、芸術などが好きな方におすすめ。
(私は石倉敏明さんの連載を毎号楽しみにしています)
■目次(寄稿者敬称略)
振動に漂う生命 青葉市子=文
食べる、記憶 後藤しおり=文・写真 [創作]
とうめいな未来 こじょうゆうや=文/ちこうゆみこ=挿画
鷹とともに、この空の下で 大塚紀子=文
手放すことの可能性 スティーブン・ギル=インタビュー・写真/岡澤浩太郎=取材・文
紙漉思考室と手漉き紙 前田崇治=インタビュー/岡澤浩太郎=取材・文/野口優子=写真
人と鯨の物語『ありふれたくじら』の4年から 是恒さくら=文・作品
[連載] 食と芸術についてのノート 第二回 循環と分配の知恵 石倉敏明=文 [連載] 続・暮らしの風景 第二回 対話「喜びの風景 畑と山羊と服について」 林央子=文/居相大輝=談・写真
[今号の結び] 菊綴じ結び