新版 野の道ー宮沢賢治という夢を歩く / 著者・山尾三省 / 新泉社
今ここにたしかにあるもの
本書は山尾三省による宮沢賢治の解説書、ではなく、
「野の道」について、三省はこう書いている。
「野の道とは、一体感を尋ねる道であると私は思っている。
三省は常に「今ここ」に生きている人だったと思う。
一輪の花に、一本の木に、吹き抜ける風に、
私はあなたで、あなたは私。
宇宙や自然と私も一体であること。
屋久島で自然を見つめ、暮らしを見つめ、
山尾三省をとおして見る宮沢賢治像を頭の片隅に思い浮かべながら
二人の「野の人」が交わる、夢の競演。
さらには序文に社会学者の真木悠介、
自分の人生の糧となるような大切な言葉を本書から拾い集めて、
<目次>
呼応 真木悠介
きれいにすきとおった風
マグノリアの木
腐植質中の無機成分の植物に対する価値
祀られざるも神には神の身土がある
ぎちぎちと鳴る汚い掌
野の師父
玄米四合
み祭り三日
野の道
土遊び、風遊び、星遊び 今福龍太
山尾三省
1938年、東京・神田に生まれる。