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花の果て、草木の果て: 命をつなぐ植物たち

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花の果て、草木の果て: 命をつなぐ植物たち / 著者・田中徹 / 淡交社


散りゆく、美しさ


祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。


これは、平家物語でも有名な、「祇園精舎」の一説です。学生時代に何も理解せずにこの文章を暗記していたことを思い出しました。特に盛者必衰という四字熟語がなぜだか心の中に残っていてこの『花の果て、草木の果て: 命をつなぐ植物たち』の一冊を手にした時にこの四字熟語が頭に浮かんできたのです。

さて、本書は京都で植物のお仕事をされている田中徹さんが自然のなかで枯れ、朽ちていく植物のすがた約100種を美しいカラー写真で紹介してくれています。

草花などの植物の本だと、綺麗な花などいわゆるそのものの最盛期の頃の写真などが多用されるのが常だと思いますが、この一冊は、よく目にする植物の普段との違いや、種子散布など、次へ命をつなげるための工夫などの生命の“最期”にフォーカスを当てているところが特徴になっています。


散り際が美しい。

これが生命を司るものの真理なのでしょうね。



<目次>
草の果て(アレチマツヨイグサ;ウツボグサ ほか)
木の果て(アカメガシワ;アケビ ほか)
受難の果て(アオキ;カクレミノ ほか)
生きる果て(ウキヤガラ;オオイヌタデ ほか)



田中徹
京都教育大学講師(植物分類形態学・有用資源植物学)を経て、現在は京都府立植物園および京都市青少年科学センター学習相談員、京都植物同好会代表、カルチャー教室の講師などをつとめる。1990年には環境省絶滅危惧植物調査京都府担当。種生物学会・日本植物分類学会会員。

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