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忠吉語録

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忠吉語録 / 著者・野津恵子、写真・森善之 / DOOR books


霊性のバトン


自分の祖父母は自分が学生時代に亡くなってしまったので、今現在の自分が考えていることを祖父母たちにぶつけることができないという寂しさや虚しさを時々感じる時があります。特に私は親の世代の考えだけではなく、祖父母の世代の考えなどについてもとても共感する部分があるのではないかと思っているからです。というのも、信州・上田に移住してきて自分の中で一番の高齢の知り合いとなった面影ファームの隣で畑をやっているお爺さんとたまに話をしていると、社会に対しての疑問の持ち方やこうあるべきなんじゃないかなという朧げな眼差しが少し自分たちの世代と似ているような気がするからです。

世代間ギャップ、なんて言葉もあったりしますが、そんなことはお構いなしにあらゆる方達がどんなことを日々考えながら生活しているのか、そしてそこから何か学んでいこうという姿勢や態度はいつの時代も必要なことだと思うのです。


さて、本書『忠吉語録』は国内初の低温殺菌牛乳の生産流通に成功した木次乳業の創業者・佐藤忠吉さん通称忠吉翁の語録10+1がまとまった一冊です。

山間の集落で、極めて高い意識の共同体の中心的存在として事を起してきた忠吉さんの元へ、子供を授かった著者の野津恵子さんが、これからをどう生きていけばいいのか、15年以上にわたり通い続け聞き続けた言葉がここに載っています。

数ある言葉の中から10個を選んで、次世代につなげるためにそれについて易しく解説します。

さらに忠吉さん自らによる、残して欲しい言葉が一つプラスされました。


1.おっぱいは「もういらん」というまで与えなさい


2.2歳までに暑さ・寒さ・ひもじさ・我慢を経験させなさい


など10の語録は、どの言葉も深くうなづき、心に刻みたいほどに大切な真理が述べられています。いわば、それらは言霊、そして翁のふるまいは霊性という言葉がふさわしいのではと感じられます。

そして忠吉翁はこれからは『品位ある簡素な暮らし』ということが大切になるとおっしゃっています。


本書のページをめくりながら、忠吉翁の土地の自然と共存し、謙虚な心で支え合い、食と農に生きる姿勢からは生活の中で実践したい態度や心がまえを知り、その真理を実感していただけると幸いです。


ずっと先まで語り継がれ、残っていってほしい一冊です。

ぜひお手元に。

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