蛇 / 著者・吉野 裕子 / 講談社学術文庫
縄文土器においてすでに、活力溢れる蛇の造形が数多く見られる。蛇に対する強烈な畏敬と物凄い嫌悪、この二元の緊張は注連縄(しめなわ)・鏡餅(かがみもち)・案山子(かかし)など数多くの蛇の象徴物を生んだ。日本各地の祭祀と伝承に鋭利なメスを入れ、洗練と象徴の中にその跡を隠し永続する蛇信仰の実態を大胆かつ明晰に検証する意欲的論考!
古代日本は蛇信仰が盛んであった。縄文土器にも活力溢れる蛇の造形がたくさん見られる。蛇に対する強烈な畏敬と物凄い嫌悪、この二元の緊張は注連縄(しめなわ)・鏡餅(かがみもち)・案山子(かかし)など数多くの蛇の象徴物を生んだ。日本各地の祭祀と伝承に鋭利なメスを入れ、洗練と象徴の中にその跡を隠し永続する蛇信仰の実態を大胆かつ明晰に検証する意欲的論考である。
1916 年東京生まれ。旧姓赤池。女子学習院、津田塾大学卒。学習院女子短期大学講師。1977年、東京教育大学より文学博士の学位を授与される。著書に『扇』(1970)、『祭の原理』(1972)、『日本古代呪術』(1974)、『隠された神々』(1975)、『陰陽五行思想からみた日本の祭』(1978)、『狐』(1980)、『陰陽五行と日本の民俗』(1983)、『持統天皇』『大嘗祭』(1987)、『山の神』(1989)などがある。