ウマと話すための7つのひみつ / 著者・河田桟 / 偕成社
いのちとの距離感
赤ん坊を育てていると、はじめのころはどうして泣いているのかわからないことが多いかと思います。お腹が減っているのか、それともオムツが気持ちが悪いのか、そして単に不機嫌なのか。
けれど日々を一緒に過ごす時間が経てば経つほど、まだ言葉の喋れない赤ん坊が何を訴えているのかということがなんとなく理解できてくるのが不思議です。それは言葉ではなく感覚として理解できてくるということです。
さて、ここで書いた赤ん坊とのコミュニケーションについては、今まさに自分が向き合っている状況なのですが、言葉で理解しようとしても理解できないという状況、というよりはそもそも言葉を喋れないウマとのコミュニケーションについて書かれたのがこの『ウマと話すための7つのひみつ』という一冊になります。
馬と出会いほぼ野生の馬が生きている与那国島に移り住んだ著者の河田さんがウマの状態とそれを何を意味しているかという『ウマ語』について絵本でまとめてくれています。
考えてみれば、赤ん坊でもウマでもそれぞれ違ういのちな訳で、それぞれとのコミュニケーションはそれぞれとの関係性から生まれるというので違って当たり前。
言葉が通じる通じないに関わらず、そのいのちとの関係性からコミュニケーションの”ことば”の感覚を作っていけばいいのだと感じさせてくれる一冊です。
河田桟
1964年神奈川県生まれ。馬飼い・文筆業。2009年、馬と暮らすために与那国島に移住。カディブックスを立ち上げ、出版活動をはじめる。