パリジェンヌの薬箱 / 著者・神津まり江 / 朝日新聞出版
パリの女性のセルフケア事情
「パリの女性たちには、祖母や母から受け継がれたフィトテラピー=植物療法が根付いていて、手元には自分や家族のための”植物の薬箱”といえるものが備わり、クリニックに頼る前にまずは自分で不調を防ぎ、ケアすることがごく自然に行われている。」
―3Pより引用
本書は、年齢・仕事・家族構成も様々な8人のパリジェンヌが登場し、美容や健康観、植物の常備薬、行きつけのハーブ薬局などのインタビューページが掲載されています。
心身との向き合い方は国を越えても変わらないことや、具体的なティザンヌ、エッセンシャルオイル、フラワーレメディが紹介されている(日本では見たことのないものばかり!)のも興味深く、自分の日常と照らし合わせながら読むことができます。
「フィトテラピーで毎日細やかにケアしているから心身ともに不調しらずよ。」
―38Pより引用
「自分に必要なものは自然にわかるから、決まったルールはないの。」
―48Pより引用
とインタビューされた女性たちが答えているように、健やかな毎日を送るために自分自身へ意識をちゃんと向けていることがわかりますし、セルフケアというのは、日々自分の体や心の動きを細やかに感じ取り、そして必要なケア(どのハーブを使うのがよいか、日々の生活に無理なく取り入れられるものはどれか、ハーブティーなのか、タンチュメールなのか、など)をするための知識を持っていることが大切なのだな、と改めて感じます。
パリの女性だって、私たちと変わらず忙しさやストレスを抱えながら暮らしていることは変わりないようで、意外と胃腸の不調が多いのだとか。
本書では他にも、そんなパリジェンヌが通うハーブ薬局やセラピストがいるサロン(保健室)が紹介されたり、コスメキッチンや植物療法士・森田敦子さんのインタビューなど日本のフィトテラピー事情がわかるページなども。
パリジェンヌの薬箱には植物に対する知恵と自分への愛情が詰まっています。
植物療法やオーガニックコスメに興味がある方に。
目次
1 パリジェンヌ8人の薬箱と暮らし方(ヴァネッサ・ジュリアーさん(30歳・アートセンター勤務)
アマンダ・ブロスさん(45歳・コマーシャルエージェント) ほか)
2 パリジェンヌが信頼するハーブ薬局案内(エルボリストリー ディポクラット;エルボリストリー デュ パレ ロワイヤル ほか)
3 パリジェンヌの保健室キャビネ・ドゥ・ナチュロパシー(イザベル・ゴメズ=エシュヴェリさん;フェリシ・ビエさん ほか)
4 日本で見つけた!植物の薬箱(コスメキッチンエルボリステリア;ハーブのプロが手がけるサロンとショップ、おすすめの8軒 ほか)
5 日本女性のための植物の薬箱、考えました(ホルモンバランスが崩れにくい体を目指す・20代;プレ更年期を視野に、女性ホルモンを底上げ・30代 ほか)
神津まり江
フリーランスのエディター・ライター。雑誌「婦人画報」にて美容・健康担当を務めた後、独立。自然療法の治療院を営む母の元、病院や一般薬に頼らず育つ。日々フィトテラピーを実践しながら、女性誌やガーデニング誌で記事制作に携わる