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注文の多い注文書

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著者:小川洋子、クラフト・エヴィング商會 / 出版社:ちくま文庫

その街区は都会の中の引き出しの奥のようなところにありました。
 
この文章からこの奇妙な小説ははじまります。こちらの本のタイトルは少し既視感がありますよね?(そう、きっと頭に浮かんだのは宮沢賢治著『注文の多い料理店』だと思います。)

けれどこの本はタイトルにもなっている「注文書」が中心に話が進んでいきます。「人体欠視症治療薬」「バナナフィッシュの耳石」「肺に咲く睡蓮」などといったこの世に存在しない探し物を「発注書」として小説家の小川洋子さんが吉田浩美さん・吉田篤弘さんのご夫婦ユニットのクラフト・エヴィング商會に注文し、それをクラフト・エヴィング商會が探し出すという物語です。

小川さん、吉田さんはそれぞれが小説家として活躍されていると思いますが、このありもしない物にまつわる空想の物語同士の掛け合いがなんとも言えず、現実にありもしないのに、あたかもそれがあるのではないのかと思わされてしまうほどです。というのも、各章の最後には「納品書」というかたちで依頼主である小川さん宛の書類がしっかりとまとめられているからです。しかも、写真付きで。
 
そして最後のあとがきで小川さんと吉田さんご夫妻での対談「物と時間と物語」はとても哲学的な話がされていて短い対談ですが何度も読み返したくなるキラーワードがたくさん散りばめられています。
 
少し時間のある時や空想の物語に浸りたい時におすすめの一冊です。

 

目次

人体欠視症治療薬
バナナフィッシュの耳石
貧乏な叔母さん
肺に咲く睡蓮
冥途の落丁