泣いてちゃごはんに遅れるよ / 著者・寿木けい / 幻冬舎
“ままならない日も、涙に舵はとらせない。料理、家族、仕事、社交。笑顔と涙、頑固と寛容、面倒と小さな喜び――。女の人生のやりくりを描く25篇のエッセイ。”
と書評には書かれていますが、正しく本書は編集者として働く寿木さん自身の言葉が紡がれたエッセイになっています。日常の些細なことを奥行き深く洞察し描写しているのは流石の文章力です。
時々反省したり、時々強く見せたり。
そんな人間がこの一冊には描かれているので、共感する部分も多くあるかと思います。
〈目次〉
・かまどの神様 自己紹介に代えて
・食いしん坊の心得
・ゴム手袋に告ぐ
・こたこたなもん
・三月の蓑、八月の鯨
・ルイさんの声
・二四〇〇年の家事
・不祝儀袋
・桜の木、檸檬の木
・手のひらの東京
・同級生
・新宿ケセラセラ
・終戦記念日のシュプレヒコール
・叱るという字、裁くという字
・日記
・ただ白いクロスを汚したくないだけ
・空飛ぶ手紙
・結婚小景
・ホテルニューオータニの朝
・母の長い春休み
・体との約束
・ブラック アンド ホワイト
・気働き
・木陰の贈り物
・泣いてちゃごはんに遅れるよ
寿木けい
エッセイスト・料理家。富山県出身。大学卒業後、出版社に勤務。編集者として働きながら執筆活動をはじめる。趣味ではじめたTwitter「きょうの140字ごはん」の反響がきっかけとなり、2017年に『わたしのごちそう365 レシピとよぶほどのものでもない』を出版。他の著書に『閨と厨』『土を編む日々』などがある。