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森を見よ そして木を 科学者ゲーテの眼力

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森を見よ そして木を 科学者ゲーテの眼力 / 著者・大嶋仁 / 弦書房




ひと繋ぎの知恵の環




自然科学と聞くと理科系の分野のことだと思う方も多いはず。

もちろん僕もその一人なのだが、毎日土に触れ畑に勤しんでいると、自然現象というものは机上で仮にも元素記号で表せたとて、私たちの目の前で起きている現象の感覚に関しては、もっと唯一無二のアートを見させられているような気がしてくるのだ。そういう意味で、宮沢賢治などの過去の農に携わる偉人たちを振り返ってみても、自己表現という名のアートを創造している方というものは多いものだ。
きっと自然界の全身で自由で美しい世界として表現されている中にいると、自ずから自分自身もそうありたいという見方になってくるのではないだろうか。

文豪ゲーテもまさしくその一人であった。彼もまた自然科学者でもあった。ニュートン的科学を正面から批判したゲーテの豊かな自然観を、後世の哲学者科学者たちの文献をもとに描き直したのが本書『森を見よ そして木を 科学者ゲーテの眼力』だ。

「自然」の姿をすべて数式に置きかえて理解しようとした近代科学者たち(ニュートン以後の科学者たち)の視点は、自然を分割して観察し人知の及ばない世界があることを見ようとしなくなり、まさに「木を見て森を見ず」という自然観に陥った。本書は、ゲーテにとって科学とは「自然を理解する」だけでなく、「自然の美」を称賛することでもあったことをわかりやすく伝える。


未だ不思議に溢れている自然をゲーテの目線から考えてみるとそれはひと繋ぎに繋がる知恵の環だとわかるはずだ。そんなきっかけになる一冊。



<目次>

まえがき

第一章 近代科学とその問題点

   1 近代科学とは

   2 近代科学の創始者たち

   3 量子革命

   4 相補性と確率

   5 近代科学の総括

   6 近代科学への批判

   7 エドムント・フッサール

   8 アンリ・ベルクソン

   9 シモーヌ・ヴェイユ

   10 ポパーとクーン

   11 ミッシェル・セール


第二章 ゲーテ的科学とは

   1 スピノザ

   2 大地の力

   3 全体と無限

   4 科学と詩

   5 ファラデイとマクスウェル

   6 色彩論

   7 ゲーテの方法

   8 ニュートンとゲーテ

   9 数理主義

   10 光と影

   11 ゲーテ的科学のまとめ


第三章 ゲーテ的科学はどう評価されてきたか

   1 ゲーテの信奉者たち

   2 科学史におけるゲーテ(1)

   3 科学史におけるゲーテ(2)

   4 現代のゲーテ主義者

   5 ハイゼンベルク(1)

   6 ハイゼンベルク(2)

   7 ハイゼンベルク(3)

   8 ハイゼンベルク(4)


第四章 ゲーテ的科学の継承者たち

   1 ヤコブ・フォン=ユクスキュル

   生物から見た世界/実証科学と哲学/生物記号論/生物の主観/ダニから見た世界/脳科学的証明/

   記号圏/空間の把握/世界像の変化

   2 クロード・レヴィ=ストロース

   フロイト/構造とゲーテ/自然と文化/射影幾何学/野生の科学/新石器革命/

     エンジニアリングと日曜大工仕事/情報科学


   3 ウォルター・エルサッサー

   科学遍歴/原子物理学/気象学/地球物理学/生物学/ギムナジウムの数学教師/ オッペンハイマー/

   ハイゼンベルク/シュレディンガー/自然の模倣

あとがき

参考文献



大嶋仁

1948年神奈川県生まれ。東京大学大学院博士課程(比較文学比較文化)修了。福岡大学名誉教授、日本比較文学会および国際比較文学会理事、からつ塾代表。大学在学中にフランス留学、以来、日本語・日本文学を外から見る視点を養ってきた。アルゼンチン、ペルーの大学、パリ国立東洋言語文化研究所で日本思想史と日本文学史を教えた後、福岡大学教授。

著書に『精神分析の都』(作品社)『福沢諭吉のすゝめ』(新潮選書)『ユダヤ人の思考法』(ちくま新書)『正宗白鳥』(ミネルヴァ書房)『日本人の世界観』(中公叢書) ほか。

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