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ミッテランの帽子

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ミッテランの帽子 / 著者・アントワーヌ・ローラン、訳・吉田洋之 / 新潮クレストブックス

 

幸福を呼び起こす帽子は誰のもとへ。

 

1980年代のフランス。当時のフランス大統領のフランソワ・ミッテラン大統領の通称グラン・プロジェと呼ばれるパリ大改造計画は賛否を巻き起こしたけれど、その当時に作られたオルセー美術館、ルーブル美術館のガラスのピラミッド、オペラ・バスティーユや新凱旋門など、今のフランスやパリを代表するモニュメントや欠かすことのできない建造物などがこの時代に作られました。

そういう意味でも2期14年大統領を務めたフランソワ・ミッテラン大統領の絶大な影響力を感じさせられます。

 

さて、本書『ミッテランの帽子』はタイトル通り、ミッテラン大統領のトレードマークである帽子がキーアイテムとなっています。時の大統領ミッテランがブラッスリーに置き忘れた帽子は、持ち主が変わるたびに彼らの人生に幸運をもたらしてゆきます。それは、うだつの上がらない会計士、不倫を断ち切れない女、スランプ中の天才調香師、退屈なブルジョワ男。

これらの人々の手にミッテランの帽子が渡ることで、『運命』の扉が開かれていきます。著者のアントワーヌ・ローランは、この人々の些細なきっかけで『運命』が変わっていく感覚に対する描写がとてもよく描かれているので、あたかも自分がこの帽子を手にしてしまったかのような錯覚にもなります。

 

私たちが生きている中で度重なる偶然が人生を大きく変えてしまうことを改めて気づかせてくれる一冊です。

 

あなたのすぐそばにも、黒いフェルト帽があるかもしれませんよ。

 

 

▼Onuki Taeko 大貫妙子

1980年代、私はパリと東京を行き来する暮らしを送っていた。レストランのソムリエの仕草、ワイン(講釈つき)、料理、誰もが知る香水の名、服のブランド、絵画、そして秋の公園に舞う落ち葉の香り。どのページからも纏いつくように記憶が立ちのぼり、懐かしい。ミッテラン大統領が失くした帽子が旅をし、手にした人たちの運命を変えてゆく。1986年、議会総選挙で大敗したミッテランが再びその座を取り戻すまでの2年間の物語。わくわくして、読み始めたら止められない。でも、帽子が幸運をもたらしたとしても、それは本当は、それぞれの人に眠っていた力なのだ。あなたは、いつどこで帽子を手にとるだろうか。

 

▼Le Figaro ル・フィガロ紙

ページをめくりながらなされる1980年代真っ只中の美しき散歩は、マルセル・エイメを思い起こさせる。これは最大級の賛辞である。

 

▼Marie France マリー・フランス誌

独特で愉快な、サプライズ入りチョコレートのような味わい。

 

▼L'express レクスプレス誌

愉快なフィクション、巧みなシナリオ、驚くべき小説……確かに表現はシンプルだが、抵抗は不可能。脱帽!

 

▼Europe 1 ユーロップ1・ラジオ

アントワーヌ・ローランは的確かつ詳細な文体で、1980年代の雰囲気を驚くほどありありと蘇らせ、現代の寓話を作り上げた。

 

アントワーヌ・ローラン

1972年パリ生まれ。大学で映画を専攻後、シナリオを書きながら短編映画を撮り、パリの骨董品屋で働く。『青いパステル画の男』で作家デビューし、ドゥルオー賞を受賞。『煙と死』『ノスタルジーの交差点』に続く『ミッテランの帽子』でランデルノー賞、ルレ・デ・ヴォワイヤジュール賞を受賞、世界的に注目を集めた。次作の『赤いモレスキンの女』も20ヵ国以上で翻訳され、ドイツ語版はベストセラーとなり、イタリア語版でジュゼッペ・アチェルビ賞を受賞した。

 

吉田洋之

1973年東京生まれ。パリ第3大学学士・修士課程修了、同大学博士課程中退。フランス近現代文学専攻。訳書にアントワーヌ・ローラン『ミッテランの帽子』『赤いモレスキンの女』『青いパステル画の男』、エリック・フォトリノ『光の子供』がある。