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ほんのささやかなこと

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ほんのささやかなこと / 著者・クレア・キーガン、翻訳・鴻巣 友季子 /早川書房



ささやかなこと



テレビを持たなくなって8年ほどの月日が経つ。手放したことで分かったのは、テレビなどで騒ぎ立てられ報じられている芸能人の不祥事や事件などは全くもって自分の人生にとってはなんの役にも立たないということ。そして何か不便なことがあるかと聞かれれば、全くないと自信を持って断言することができる。それに一番良かったのが、自分の時間が増えたことで、その中での発見やきっかけとなる何かを深く考えることで新しいアイデアなどに出会えるということだ。それはとても大きな出来事でもないし、他人からしてみれば、大したことはないのかもしれないけれど、自分にとってはとても大事なささやかなことなのかもしれない。


そんなささやかな日常からスタートするストーリーとして描かれたのが本書『ほんのささやかなこと』だ。1985年、アイルランドの小さな町。クリスマスが迫り、寒さが厳しくなるなか、石炭と木材の商人であるビル・ファーロングは最も忙しい時期を迎えていた。ある日、石炭の配達のために女子修道院を訪れたファーロングは、「ここから出してほしい」と願う娘たちに出くわす。修道院には、未婚で妊娠した娘たちが送り込まれているという噂が立っていたが―隠された町の秘密に触れ、決断を迫られたファーロングは、己の過去と向き合い始める。歴史に光を当てながら、人間の普遍性を見事に描きあげ、英国のオーウェル政治小説賞を受賞。世界30か国で翻訳され愛される現代アイルランド文学の旗手が贈る、史実に基づいた傑作中篇。


あなたの日常のささやかなことは何ですか。





キーガン,クレア
アイルランドの作家。デビュー作の短篇集Antarctica(1999年)でルーニー・アイルランド文学賞を受賞。第二短篇集『青い野を歩く』(2007年、邦訳は2009年)はエッジヒル賞の最優秀短篇賞部門を受賞。2010年発表のFosterは世界的にも最もすぐれた短篇に贈られるデイビー・バーンズ賞を受賞。本書『ほんのささやかなこと』はニューヨーク・タイムズ紙による「21世紀の100冊」に選ばれ、ブッカー賞、ラスボーンズ・フォリオ賞の最終候補にも選出。また、オーウェル政治小説賞、ケリー賞のアイルランド文学部門をそれぞれ受賞した。2024年にはシェイマス・ヒーニー賞の受賞に加え、「偉大なヨーロッパの作家の一人」としてジークフリート・レンツ賞を受賞した。

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