日めくりだより 神戸・六甲ではじめたひとりの暮らし / 著者・高山なおみ / 扶桑社
料理家、文筆家としての顔を持つ高山なおみさんが2016年5月に住み慣れた東京を離れ、新しい土地として選んだ神戸・六甲での毎日から生まれ綴られた手紙のような一冊です。
写真集のような版形の本を開くと柔らかいゴシック調の文字とフォトグラファー・濱田英明さんによるその場所の空気や風を感じるような写真で、日々のことや東京から移り住んで感じた変化やその心境などが等身大で綴られています。
きっと高山さんは日々に対する解像度を沢山持ち合わせていてなんでもない普通の日々がより彩り豊かに感じられ、気づきも多くあるということがわかります。そして家にあるものを工夫してつくる料理や縫い物など、日々の中で自分自身をご機嫌にする術を知っている方なのだなと感じました。
ふとページをめくっているとあることに気が付きました。
この写真に載っている高山さんの家にあるものがなんとなく、私たちの自宅にあるものとリンクしているような気がするのです。何を隠そう、面影 book&craftの店長(妻)は高山さんの著書がとても好きなのです。彼女にとってきっと偉大な先生なのでしょうね。
日々をじんわりと味わい感じていきたい方におすすめの一冊です。
<目次>
朝起きて、いちばんにすること
植物のたのしみ
本棚と私
ときには料理教室も開きます
夏のいち日
あるものをいかす話
変わったこと、変わらないこと
器や台所道具のこと
落ちているものとの出会い
遠い国の匂い
くたびれた日には、本の虫になります
きのう、今日、あした
お母さんの五目きんぴら
きゅうりサンドと今日子ちゃん
高山なおみ
1958年静岡県生まれ。レストランのシェフを経て料理家に。文筆家としての顔も持つ。近著に、ひとり暮らしの自炊生活をまとめた『自炊。何にしようか』(朝日新聞出版)、『気ぬけごはん2』(暮しの手帖社)、『本と体』『帰ってきた 日々ごはん8』(共にアノニマ・スタジオ)など。絵本に『たべたあい』『それからそれから』(共に絵・中野真典、リトルモア)、『おにぎりをつくる』『みそしるをつくる』(共に写真・長野陽一、ブロンズ新社)などがある。