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Foodscape フードスケープ: 図解 食がつくる建築と風景

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Foodscape フードスケープ: 図解 食がつくる建築と風景 / 著者・正田智樹 / 学芸出版社



生命の自然のリズム



畑で野菜を育てているとはじめのうちは、自然の恵を形にできることへの喜びに満ち溢れる。そしてどうすればもっと生産性を高めることができるかという発想に結びついていき、最終的には自分たちで消費することができないくらい採れるということがざらにある。


信州・上田に移住してきてから始めた自然農の畑もおかげさまでそんな様相を呈しているけれど、今度は作るというところから、作ったものをどう保存し加工し消費していけるか、もしくは流通させていくかということを考え始めている。自分たちで食べきればいいのだが、毎日同種の野菜を食べ続けるということはなかなか至難の技なのだ。幸いなことにウチは実店舗のお店を構えているので、そこで販売することは可能なのだが、もう少し加工や発酵を絡めた貯蔵という観点でも引き続きトライしていきたいと思っている。


つまるところ、産業革命以降、私たちの思考のリズムは機械のリズムに乗っ取られた形になっており、機械のリズムに人間が合わせた生き方をしてしまっているのだろう。土や水、光と共に生きていくということは、そうした機械のリズムから生命の自然のリズムへと回帰するに絶好の機会となってくるはずなのだ。そのための技術や空間、そして道具は本来どうあるべきなのかと考えを広げていきたくなるのが、本書『Foodscape フードスケープ: 図解 食がつくる建築と風景』というわけなのである。


地形と気候に応じた食がつくる建築と風景の図解集。カレマ村のワイン、アマルフィのレモン、小豆島の醤油、多気町の日本酒等、日本とイタリア16の食の生産現場を読み解く内容がカラーでまとまっているのが嬉しいところ。
蓄熱する石積みの段々畑、風を呼込む櫓、光や湿気を採り入れる窓等、自然のリズムとともにある食生産と人の暮らしを取り戻す為の建築の問いと手がかりやヒントがここに詰まっているのだ。


光や風、熱をいかし、自然のリズムとともに生きる人と建築。

私たちがこれからの未来に必要な風景はこっち側なのかもしれない。



<目次>


・スローフード運動とエコロジカルな転回

・日本とイタリアのフードスケープ

・エコロジカル治具とフードスケープ

・アイソメ図とバレーセクション


イタリアのフードスケープ Foodscape in Italy

カレマ村のワイン

ボルミダのワイン

トレンティーノの貴腐ワイン

ヴェッサーリコ村のニンニク

ジベッロ村のクラテッロ

〈食コラム〉パルマハム

〈食コラム〉コロンナータのラルド

モデナのバルサミコ酢

ヴェスヴィオ火山のトマト

アマルフィのレモン

トラパニの塩

 〈食コラム〉マドニエのプロヴォラ


【食と建築をめぐる対話①】藤原辰史(農業史・環境史)×正田智樹


日本のフードスケープ Foodscape in Japan

四郷の串柿

小豆島の醤油

石井味噌

豊島の天日塩

海の精

多気町の日本酒

〈食コラム〉寺田本家

八女茶

田野町の寒干し大根

〈食コラム〉山之村の寒干し大根

下津の蔵出しみかん

〈食コラム〉カネサ鰹節商店


【食と建築をめぐる対話②】塚本由晴(建築家)×正田智樹


・エコロジカル治具の拡がり

・自然と機械によるハイブリッド生産

・おわりに

・取材・執筆協力、参考文献

・謝辞

・Foodscape Graphical Analyses of Architecture and Landscapes of Food




正田智樹
1990年千葉県生まれ。東京工業大学大学院建築学専攻修了。一級建築士。2016-17年イタリアミラノ工科大学留学。現地ではSlow Foodに登録されるイタリアの伝統的な食品を建築の視点から調査。2018-現在会社員。

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