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ファンタジア

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ファンタジア / 著者・ブルーノ ムナーリ、訳・萱野有美 / みすず書房

 

デザイナー、芸術家、詩人、発明家、美術教育家……天衣無縫な創造活動を通し、驚きと気づきにあふれたモノたちを生み出しつづけたイタリアの異才、ブルーノ・ムナーリ。

誰もが気になる『創造力とは?』という問いにムナーリ自身が一冊にわたり紐解いています。
創造力、発明、想像力、そしてもうひとつの人間の能力《ファンタジア》。
この一冊を手にした人によって、この『ファンタジア』という言葉の解釈は異なるかもしれませんが、新たなモノや斬新なモノを作り出すというよりは、ありふれたよく見る何かを組み合わせ、視点を変えながら、それらの関係性を子どもたちのように遊び心を持ちながら築き育んでいくことが『ファンタジア』なんだろうなと僕なりの解釈で腑に落ちました。

本の中には、昔の雑誌のような写真や手描きの図解などもふんだんにあるので、イメージを膨らませながら読み進めることができます。


本書の訳者あとがきにもありますが、ムナーリは幼少期、イタリアの片田舎で生活していたこともあって自分で自然のものを組み合わせながら『遊び道具』を作っていたそうです。

そんなことを表すムナーリの言葉が残されています。


子供の精神を、一生ずっと
自分の中に持ち続ける。
それは知りたいという好奇心を
理解する喜びを
コミュニケーションしたいという思いを
持ち続けるということ。


あなたのクリエイティビティをノックするきっかけの一冊に。

 

ブルーノ ムナーリ
1907年ミラノに生まれる。
プロダクト・デザイナー、グラフィック・デザイナー、絵本作家、造形作家、映像作家、彫刻家、詩人、美術教育家。後期未来派に参加し、絵画や彫刻を制作。1933年に代表作『役に立たない機械』を発表。1942年に絵本『ナンセンスの機械』(原題『ムナーリの機械』)を刊行。この頃より子どもの創造力を育てるための絵本づくりを手がけ始める。1948年創立メンバーの一人として具体芸術運動(Movimento Arte Concreta)に参加。同年、児童のための新しい様式の絵本7種を発表。1954、55、79年に優れたデザイナーに与えられるコンパッソ・ドーロ賞を受賞。1956年よりプロダクト・ブランド、ダネーゼとのコラボレーション開始。1967年ハーヴァード大学でヴィジュアル・デザインの講座を担当。1974年国際アンデルセン賞受賞。1985年東京の“こどもの城”で「大ムナーリ展」開催。その他、パリ、ミラノ、エルサレムなど国内外を問わず個展を開催。1998年91歳で死去。

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