著者:川﨑智子 / 出版社:土曜社
『整体対話読本 ある』(土曜社)や『体操をつくる』(自費出版)の著者であり、整体指導者の川﨑智子さんによる新刊。
本書は、不調をきっかけに出会った野口整体により体の全感覚が一致した自覚が生まれ、自由になったという川﨑さんが、独学で整体を学びはじめた最初の三年間の経験と体感を書き綴ったもの。
本書を読んでいると必然的に自分の体に意識が向かい、呼吸の仕方や姿勢が気になったり、本を片手に腰をもぞもぞ、首をぐるぐるしだしたり(笑)、とにかく体の内側が気になりはじめ、そして体というものの不思議さ、美しさに触れたような気持ちになります。
『整体対話読本 ある』を読んだときにも感じたことですが、感情や思い込み、癖や習慣などに振り回されず、ただただ体を「観察」をすること、「運動」をすること、やってみること。
それらを実践してみると、おのずと自分の中心へと立ち返っていくことにつながるのかもしれないな、と感じました。
本書の中に出てくる普段意識しないような言葉(「連続性」「運動変換」「道具化」など)について考えるのも面白く、前著に比べて難しく感じるところも少しありましたが、自分と体の関係性にまつわる新しい発見がたくさんあり、ふむふむ、なるほど〜とうなずきながら読んでいました。
ふと思い出しては何度でも繰り返し読み、そのたびに自分の体を改めて見つめられるような本です。 薄くてコンパクトな装丁や、道のような、人の背骨にも見えるような表紙もよい。
気軽な気持ちで、ぜひ手にとってみてください。