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Coyote No.83 特集 石 この世界の記憶 アイラ島とアラン島 / 編集・スイッチ・パブリッシング

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Coyote No.83 特集 石 この世界の記憶 アイラ島とアラン島 / 編集・スイッチ・パブリッシング



探究心の旅



インタビューする仕事が多くなってきました。
これはとても喜ばしいことなのです。自らその現場に赴き人から話を聞いたりする中で話の内容から学べることも多くあるのですが、それよりもその現場ごとの空気感、話をしている方の言葉と言葉の間などの非言語的な感覚から自分の興味関心が湧き起こり、以前別の現場で聞いた話との関連性や共通点から自分の中で手掛かりめいたものがキラリと輝く瞬間は、インタビューする仕事の中で楽しい出来事の一つなのではないでしょうか。


そんなことを思い起こさせてくれたのが、MAGAZINE FOR NEW TRAVELERSというタグラインのついた雑誌『Coyote』です。毎号一つのテーマをそれこそ旅するように掘り下げて一冊にまとめているこの雑誌を恥ずかしながらあまり手にしたことがありませんでした。(過去の北欧特集を数冊と2024年5月に開催した赤阪友昭さんの写真展の時に関連するバックナンバーを手にした程度です。)

小さな子どもを育てている身としては、独身時代のように飛行機で世界を飛び回ることはなかなか叶わなくなってしまいましたが、この『Coyote』を読むとそんな気持ちを呼び覚ましてくれます。

本号の特集は『石』。私たちの身近にあるモノですが、その一つ一つの中には地球が過ごしてきた年月が詰まっています。記憶といってもいいかもしれません。
旅の舞台はスコットランドや島根・隠岐といった島。サブの特集も新潟・佐渡島を取りあげているので、なんだか『島』特集のようでもありますが、現実では実行しにくいテーマを持った旅は読んでいるとワクワクとしてきます。


是非、旅のお供に。

そして動かない旅のお供に。


<目次>


近代地質学の発祥の地であるスコットランドの現在の地層を手がかりに、 地球の過去をひもとく「石」特集


石を拾う。


北の島々を旅する。

スコットランドの2つの島を渡る。

陽が照りながら雨の降るアイラ島の西に立ち、

その足元に走る断層を見つめる。

アラン島で岩を見つめ石を踏む。

地球の誕生から氷河期を経てそして今ここにある。

世界の記憶を遠く旅する



アラン島 スコットランドの縮図

アラン島の雄大な景色にじっくりと目を向けると、いたるところで大地の成り立ちや遥かなる時の中での地球の営みを窺い知ることができます。近代地質学の出発点のひとつになった「ハットンの不整合」をはじめとした、アラン島の多様な地質の魅力をご紹介します。



アイラ島 ウイスキーの島

アイラ島では老舗蒸留所の「ブルックラディ」を訪ねるとともに、ウイスキー作りに欠かすことのできないピートの成り立ちを辿ります。さらに、赤い石の埋め込まれた不思議な岩壁を手がかりに、地球の表面が赤道付近まで覆われたとする仮説「全球凍結」の謎へと迫ります。



グラスゴー&エジンバラ そしてキングホーン岬へ

グラスゴーでは観光スポットとして人気の高いケルビングローブ美術館・博物館とハンテリアン博物館の見どころをご紹介します。そして、キングホーン岬で見ることができる様々な化石や、首都エジンバラの中心部にほど近いアーサーズ・シートと呼ばれる雄大な氷河地形の成り立ちを通して、太古の地球の姿へと思いを馳せます。



縄文の心を辿る黒曜石の旅、隠岐へ

3万年以上前から、人々は黒く輝く石「黒曜石」に魅せられてきました。古の人々は、当時の生命線とも言える黒曜石をいったいどのような思いで扱っていたのでしょうか。その一端を知るために、日本有数の黒曜石産地として知られる隠岐諸島のジオパークを訪ねました。



白神山地スケッチ旅行記

1993 年に屋久島と共に日本で初めて世界自然遺産に登録された白神山地には約1万7000ヘクタールに及ぶブナ林が原生林に近い形で残っています。脈々と受け継がれている白神の自然や地元の食文化、そして変わりつつあるマタギ文化の今を探りに旅した、イラストレーター・山崎杉夫によるスケッチ旅行記。



新しい佐渡人の暮らし。

国内外を旅して、佐渡島へやって来た、あるいは故郷の島へと戻って来た、9人の「新しい佐渡人」たちに会いに行きます。彼らがなぜ佐渡を選んだのか。彼らは今、島でどんな営みをしているのかをご紹介します。



賢治再訪としての「七ツ星占い師と錬金小僧」 イッセー尾形

イッセー尾形が宮沢賢治の世界を旅する連載の第8回。



<そのほかのコンテンツ>

●森とクジラと氷河 星野道夫へ

文=ボム・サム 絵=あずみ虫

翻訳=新井菜津


●Foxfire True to nature Vol.17

自然に挑むのではなく、自然と共に生き、自然に対して真摯であること。表現者は自然の声に耳を傾け、生きる知恵を学ぶ。山梨県の大菩薩山麓でペンションを経営する傍ら、川の保全に尽力する古屋学に訊く、理想の川のつくり方。


●最初の一歩 第83回

中込健太

絵=黒田征太郎


●絵本の世界  対馬丸の忘れものがたり

池澤夏樹と黒田征太郎

絵=黒田征太郎

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