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完全版 川口由一 自然農

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完全版 川口由一 自然農 / 著者・川口由一 / ワン・パブリッシング




自ずから然らむ




自ら農の世界に飛び込んだのが2021年の5月なので信州・上田に移住をして間もなくそれをスタートしたことになる。きっかけは祖父母の畑を満を時して、上田に在住の叔父さんがやり始めるということを聞きつけ、ならばせっかくだから自分たちもと畑のひと区画30平米くらいの場所を分けてもらったことから始まった。

何から手につけていいのかわからず適当な専門書を手にしてみて、なるほど土づくりというものを最初にやるのかと、ホームセンターで苦土石灰というものを買った。それと同時にこれから毎回こうした農業資材を作物を作るごとに購入する必要があるのかと考えたら、なんだかやりたいと思っていた農作業も億劫に感じられてしまったのだった。

どうにかして資材や機械などを使わないでやる方法はないのかと色々と調べると、今でこそどういった経緯でそこに辿り着いたかわからなくなってしまったのだが、愛媛の興居島で自然農で野菜を作っている『島の自然農園』というYOUTUBEに辿り着いた。そこでは園主の山岡さんが自ら行ってきた自然農の知見を惜しみなく紹介しており、その内容を食い入るように見てみると、自分が考えていた資材や機械などに頼らない農のあり方がそこにはあった。どうせやるならとその山岡さんがやられているやり方を信じて実際にやってみると野菜がたくさんできた。

「なんだ野菜って、肥料などをやらなくても作れるのか」という驚きと同時に、なぜ自然に沿うかたちでやるだけで野菜ができていくのかということが不思議でたまらなかった。

山岡さんが動画の中でたびたび言葉にする『自ずから然らむ』という言葉も初めて耳にし、その言葉を辿り遡っていくと、奈良で自然農を行い自然農の実践者の集いを主宰している川口由一さんという方がいらっしゃるということを知り、自然農として初めてページを開いたのがこちらの本書『完全版 川口由一 自然農』だった。


農薬を使わず耕さない耕さない自然農の畑で、農薬・肥料を使用せずに野菜や米をつくる自然農の手引きがまとめられた一冊。自然農で野菜がよく育つ仕組みや、草や虫を敵にしない、つまり「土を裸にしない」ことの大切さを説明。またショベルや鎌まど自然農に必要な道具についても詳しく解説しているところや、キャベツ、トマト、ホウレンソウ、キュウリ、ナスなど代表的な野菜40種の育て方と米の栽培方法までをオールカラーで掲載されているのもありがたいところ。こうしたノウハウだけにとどまらず、どうして川口さんが自然農という考えで農に勤しむことになったのかということについて巻末にインタビューとして語られている内容が全ての根源なのだと実感し、この一冊を読み終わる頃には、先の疑問のなぜ自然に沿うかたちで野菜が育つのかということの理解が深まるはずだ。



何もかも
何もかも
いのち自ずから
然らしむる
宇宙自然界
生命界


令和元年
川口由一




 

 

<目次>

第1章 自然農という名の「生命の楽園」(耕さない自然農の畑で野菜が育つわけ;自然農3原則;自然農・農的暮らしを学ぶ「赤目自然農塾」 ほか)
第2章 自然農 はじめの一歩(自然農で使う3つの道具;自然農の畝づくり;自然農の畝の立て方 ほか)
第3章 自然農の野菜づくり40(キャベツ;ホウレンソウ;リーフレタス ほか)
第4章 自然農へ至る道―川口由一の歩み



川口由一
昭和14年(1939年)奈良県桜井市の専業農家に生まれる。中学卒業後、慣行農法に23年間従事したあと、自然の営みに沿ったまことの生き方を求め、自然農と漢方医学に取り組む。

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