面影 book&craft

カフェゴトーの記録

販売価格 価格 ¥2,970 通常価格 単価  あたり 

税込 配送料は購入手続き時に計算されます。

カフェゴトーの記録 / 編著・瀬谷薫子、語り・後藤進(カフェゴトー店主) / 大和書房


 

 

記憶の記録


 

 

東京に住んでいた頃、早稲田にあるカフェゴトーには何度か足を運んだことがあった。

このお店を知ったきっかけが確か早稲田大学に通う知人から「ケーキが美味しいから」と勧められたことだったと記憶している。


初めて訪れたときの印象は、本書で寄稿されている方々と一緒で入口すぐに鎮座するケーキのショーケース。

それから開放的な店内にも関わらず「ひとり」になれる居心地の良さが気に入って、近くを訪れる際にはケーキ食べたさと読書目的でよく立ち寄らせていただいていた。


そんなカフェゴトーの本が出ると知って、当時の記憶がまざまざと(そこで読んだ本のタイトルまで)蘇り、懐かしい気持ちになったと共に刊行を待ち侘びていた一冊である。


本書は編集者の瀬谷薫子さんが聞き手となり、学生の街・早稲田でカフェを営んで34年、幅広い人に愛される ”素朴なケーキ” を出す喫茶店、「カフェゴトー」の全記録と店主・後藤進さんのインタビューをまとめた一冊。

店主の人柄、ケーキの焼ける匂い、カフェで交わされる会話がまるごと伝わってくるよう内容で、喫茶店好き、お菓子好きにはきっと心に響く言葉と出会える。


カフェゴトーを訪れたことがある人もない人も、読めば店主・後藤さんの生き方や考え方に触れることで置いてきてしまいがちな大切なことを思い出させてくれる感覚(そしてそれは懐かしい感情でもある)が湧き上がってくるだろう。


「物語があるケーキは、食べる人にも届く。それは、その人の心の中にある、なにかの記憶と重なるからだと思うんだ。」(ー85Pより引用)


手間ひまをかけてケーキを焼き朝から晩までカフェに立ち続け、効率や利益重視とは正反対のやり方を貫いてきた後藤さんからにじみ出る人間らしさがカフェゴトーのお店と、そこに集う人たちを作り上げたと思うとこの一冊はとても尊い物語なのだ、と感じずにはいられない。


日常の忙しなさの中でこぼれ落ちてしまうささやかな幸せや喜びがカフェゴトーにあり。

私たちにはやっぱり喫茶店が必要だ。



<目次>

はじめに カフェゴトー 


一章 後藤さん

後藤さん / 本物の味 / たんぽぽの綿毛 /ケーキだけの店 /待ち合わせ /間合い / 古くて新しい /早稲田の街で  


二章 ケーキ

物語とイメージ / 幼児性の芸術 / タルト・タタンの矜持 / チョコレートの哲学 / 果実のノスタルジー / 創作 / 約束 / 僕が好きなもの / 残したい / ケーキと一日


三章 人

ゴトーの人 / 他人以上 /ぶどうのタルト / 水曜日の音楽 / マスター孝行 / 鈍(どん)/ 道具箱 / 踊り場 / 実家


終章 喫茶店

文化 / 憧れ



編著:瀬谷薫子

語り:後藤進(カフェゴトー店主)

写真:川島小鳥

寄稿者:

朝井リョウ(小説家)「GOTOの隅に腰を下ろして」

内田真美(菓子研究家)「階上の私的希少店」

土岐麻子(歌手)「誰かの花園」

テリー伊藤(タレント演出家)「cafe GOTOと私の不思議な関係」

x