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ショートケーキを許す

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ショートケーキを許す / 著者・森岡督行 / 雷鳥社

 

ショートケーキの幻想と誘惑

 

誕生日には苺のショートケーキ。

我が家では小さい時からそんな習慣がありました。フワフワのスポンジケーキに隙間なく塗られた真っ白いクリームに紅い苺。どう見ても色彩的に完璧な組み合わせのように思います。綺麗に整ったその姿・カタチは芸術作品そのものです。完璧と言っていいほどの色やカタチをしており心も気がつくとルンルンに踊っているのです。

しかしです。食べ物の好き嫌いはほとんどないのですが、どうしても濃厚なクリームをたくさんの量を食べるのが苦手でカットされた苺のショートケーキもいつも必ず残してしまいます。イメージ先行よろしく、実際は自分の胃の限界に達してしまうという始末。食べ始めると食べる前とは裏腹に少し寂しさを醸し出すショートケーキ。こうした苦い思いでも込みで、私の苺のショートケーキの思い出は心に刻まれています。

 

さて、本書『ショートケーキを許す』は、東京・銀座で一冊の本とそれにまつわる展示を行なっている森岡書店の店主・森岡督行さんがショートケーキを愛するもの=「ショートケーキ応援団」として綴る、書き下ろしエッセイです。東京を中心としたショートケーキを巡る旅が綴られています。
森岡さんのエッセイの文章はとても愉快で、特にケーキ屋さんに向かっている時に心理描写などが事細かに描かれているので、あたかも森岡さんの隣でその様子を眺めているかのような感覚になります。むしろ食べる前の描写や食べて気づく自身の感覚や呼び覚まされた過去の思い出などの方がメインなのだということがわかります。

 

そうです。ショートケーキはイメージの産物なのです。

一冊読み終える頃には、ショートケーキの幻想と誘惑に苛まれることでしょう。

いやはや、ふつうにショートケーキが食べたくなります。

 

素敵な午後のひと時に。

 

 

 

<目次>

はじめに

 

風のように

新宿が好きになる理由

新宿駅東口のまぼろし

いい時間とは

果てない夢

ショートケーキがなくても

パリと新橋と新幹線

ウェイトレスの方のしぐさから

ショートケーキを許す

ショートケーキは話す

結婚式の思い出

季節を贈る悦び

目の前が開けてくる

ショートケーキの女神

12歳のあなたに

三島由紀夫に差し入れするなら

単純と反復

次はショートケーキにとまります

ショートケーキがプロポーズ

ゴンドラにのってショートケーキを

「ショートケーキ道」の起源

ショートケーキとコーラ 二重の悦び

江戸時代のショートケーキ

ショートケーキのすれ違い

ショートケーキは和菓子

 

コラム

・ショートケーキのルーツ・日本型ショートケーキの誕生・ショートケーキの日

 

おわりにかえて

お店一覧(掲載順)
銀座ウエスト 本店、タカノフルーツパーラー新宿本店、自家焙煎珈琲 凡、パティスリーアラボンヌー 赤坂本店、資生堂パーラー、銀座千疋屋、巴裡 小川軒 新橋店、成城アルプス、帝国ホテル、ホテルニューグランド、東京會舘、千疋屋総本店 日本橋本店、資生堂パーラー ザ・ハラジュク、銀座メゾン アンリ・シャルパンティエ、和光アネックス、山の上ホテル、The Okura Tokyo、東京ステーションホテル、パレスホテル東京、洋菓子のゴンドラ、メゾン・ド・フルージュ 苺のお店、ザ・リッツ・カールトン東京、ザ・ペニンシュラ東京、近江屋洋菓子店、ホテルニューオータニ

 

 

森岡督行
1974年山形県生まれ。森岡書店代表。著書に『荒野の古本屋』(小学館文庫)、『800日間銀座一周』(文春文庫)などがある。共著の絵本『ライオンごうのたび』(あかね書房)が全国学校図書館協議会が選ぶ「2022えほん50」に選ばれる。現在、小学館「本の窓」オンラインにて『銀座で一番小さな書店』を、資生堂『花椿』オンラインにて『銀座バラード』を連載中。「森岡製菓」の屋号でお菓子の販売とプロデュースも手掛ける。

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