愛おしき日々 vol.6

2025/06/02


6時過ぎに起床。

どんより曇り空のせいか、寝不足のせいか、体が重だるい朝。


台所に立って食器を戻し、朝ごはんを作り始め少しずつ体と頭を起こしていく。

朝は卵焼き、ほうれん草ごま和え、ご飯、味噌汁、納豆、ほうじ茶。


今日は音声配信「面影飛行」のオンライン収録とフェアの撤収、陳列入れ替えとやること盛りだくさんなため、息子を保育園に送り出したあとすぐに家を出てお店に向かった。


収録が始まるまではフェアの撤収作業を進めて、時間になったらPCの前に着席。


アートブックの選書をお願いしている錦さんに夏の季節に合う3冊をセレクトしていただいていて、その解説を兼ねた回の収録なのだけれど、相変わらずの本質をとらえていく感性と巧みな言葉選びとでまんまとどれも欲しくなってしまうという(笑)。


この企画をはじめて少しずつ触れるようになったアートブックはその人その人の内側にあるなにかに一瞬で呼びかけることのできる装置であるなぁと思っていて。

情景や被写体の表情、光の色ー

わかりやすく感じることもあれば、ぐっと内側に入りこんで呼び覚まされるようなものもある。


今のところ店頭では没入するようにアートブックを手にとって眺めるようなお客さんは少ないのだけれど、もっともっとじっくり見てもらえたらいいなぁと思う。


今日の収録も無事終えて、夏の3冊をご紹介するのが今から楽しみであります。

私たちのことを思い浮かべながら毎回どんぴしゃな選書をしてくださる錦さんにも感謝しきりです。

秋は上田でお会いできる、かな?!


収録が終わって、お昼の時間だったので久しぶりにkadokkoさんへピザを頂きに行った。

朝から今日のお昼はkadokkoさんだなーとピンときていたので。


旬のアスパラガスと春菊のピザを頼んだのだけれど、野菜の緑の美しさに見惚れてしまった。眼福。


味もいつものことながら美味しくてペロリ。

自分へのご褒美タイムになりました。


お店に戻って、午後のタイムリミットまでは店内の陳列入れ替えをあっち行ったりこっち行ったりしながら進めた。


保育園の迎えの時間が早いので、あっという間にタイムリミットがきてしまい一旦帰宅。


夕方迎えに行ったものの、家に帰ると息子がいつにもまして私から離れたがらない。

様子がなんか変だぞ?と思いながら観察していたら、お風呂に入る前に急に堰を切ったように泣き出した。


泣き方がいつもの思い通りにいかないときのそれではなくて、溜めていたものがぶわっと溢れ出したような泣き方だったので、保育園で何かあったのかな、と思う。


息子に問いかけてみてもはっきりとしたことはわからなくて、でも今は事実を追求することが先ではないな、と感じたので、とりあえず寄り添って様子を見ようとかまえていたら、そのうちしれっといつもの顔つきに戻った。


自我もむくむくと芽生え出して、自分ワールドができはじめてきた分、保育園のたくさんの人との関わりのなかでけんかをしたり、理不尽に感じたりすることもきっと出てくる頃。


これから喜怒哀楽、さまざまな感情を知っていくはず。


親子といえども他人であることには違いないから、必要以上に踏み込まずに愛ある距離感で息子がこれから直面していくであろう内的な変化を見届けていけたらいいな、と今日の出来事から改めて感じた。


夜は息子の好きな餃子だったのも運がよくて、機嫌よく食べてくれましたとさ。


いつものように寝かしつけをして、おしまい。

今日も1日精一杯頑張りました。



2025/06/10


今日から信州も梅雨入り。

朝からしとしとと雨が降っている。


昨日から所用で父が泊まりに来ていて、息子も嬉しさでずっとそわそわしている。

1週間ほど一緒に生活する予定。


そんなときだけれども私は今日日帰りでひとり東京へ。

目的は東京都国立近代美術館で開催されている「ヒルマ・アフ・クリント展」を観に行くこと。

と本屋もちらりと行けたらいいな、と。

インプットの旅でございます。


息子が生まれてから初めての子なし新幹線。

景色を眺める余裕もゆっくりココアを飲む余裕もあるだなんて…、なんて贅沢な時間なのだ。


今日はたっぷりひとりを満喫するんだ。


着いたら東京も雨。だけど、湿度の違いにびっくりする。

ミストシャワーを浴びてるみたいだ〜と思いながら、東京駅から美術館までお濠沿いの道を歩いて向かった。


展示は最終週だからか、それともずっとこんなかんじだったのか、すごい人人人。


人の波をよけながら、自分なりに思う存分鑑賞をした。


今回は頭で言葉にしないで、感じよう、と思いながら観ていたので、惹かれる作品の前ではじっくりと眺めていた。

途中で腰をかけられる椅子が設置されていたのもよかった。


それから白鳥シリーズはこの空間に入ったとたん、おぉっと圧倒されるものを感じた。


本物を見ることができる貴重な機会、はるばる来れて本当によかった。


どっぷりと疲労感と充実感を感じながら美術館を出て、屋根のある外のイスで雨宿りしながら東京駅で買っておいたサンドイッチを食べ小休止。


情報量があまりに多かったので、雨を見ながら、ぼーっと無になる。


自由時間はあとわずか。

神保町の東京堂書店に行くか、丸の内の丸善に行くか。

少し迷って、神保町経由だとタイムロスがありそうなので東京駅に戻って丸善をゆっくり見ることにした。


大型書店に来たのは本当に久しぶりだったので、とにかく楽しくて楽しくて、舐めるように本棚を眺めてしまいましたよ。


知らない本がたくさんある。

背表紙を右から左に追いかけるだけでわくわくする。

私の原点はここでした。

昔の自分に出会い直したような感覚がふわっと湧き起こる。

子供の頃から大人になってもずっとこの時間に救われてたんだよなぁ。


また定期的に心の栄養補給をしに行きたい。


新幹線の時間が近づいてきたので、東京駅に戻って夜ごはんのおかずを買って乗車。


新幹線の中で日記を書いたら、あとは上田に着くまで持ってきた本を読んで最後までひとりを満喫しよう。


駆け足だったけれど、じんわり満たされたショートトリップでございました。

 

 

こちらの日記はwest mountain booksの日記からの抜粋となります。 月に一度、面影 book&craftの店主はエッセイを、店長は日記をお届けすることにしました。私たちがショップを通して扱うものやことは多くのものが代替が効くものだと思っています。であるならば、もう少し自分たちらしさをお伝えして、そんな私たちが選ぶものや企むこととして、もう少し奥の意味合いを感じ取ってもらえればと思い文章で伝えていこうということになりました。 SNSなどの消費的なメディアではなく、もっとスロウに細く長く続け、伝えていきたいと思っています。 気が向いたら感想などをお店に来た時にでも教えてください。励みになります!

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