冬の植物観察日記 / 著者・鈴木純 / 雷鳥社
生活者の目線で植物を観察すると
植物観察家の鈴木純さんが、2022年10月から2023年3月までの冬の間日々の出来事と共に、その日に目にした植物を毎日綴った日記本。
咲く草花が減り、見どころが少ないと思われる冬の間の植物も、鈴木さんからすると「植物の内側を想像して楽しむ時間」だという。
そして冬の植物観察を本にすると考えたときに日記という形で表現することにした。
秋のはじまりから冬の終わりまで。
植物の専門家が綴る日記と植物という組み合わせがとてもおもしろくて、登場する植物の名前で知らないものがあれば立ち止まって調べたりするけれども、するすると読めてしまいます。
娘さんとの登山で遭遇した植物、体の不調を感じたときになぐさめられた植物、お正月と植物…。
普段私たちが気に留めていないだけで、本当は植物はこんなにも近くで生きているのだなぁ、としみじみと感じてしまいます。
季節の変化を追うように代わるがわる登場する植物を知ることで冬の植物も自然と覚えられます。
植物が好きな方、日記の形で読むのもとてもおすすめです。
<目次>
冬のはじめに
2022年10月から2023年3月までのこと
春のはじめに
(帯文より)
10月 美味しいものが降ってくる季節 秋の伝承遊び
11月 落ち葉は宝物 移動する実と種
12月 冬の到来 霜をまとう植物たち
01月 一変する景色 閉じ込められた時間
02月 冬と春の端境期 草たちの命がけの冬越し
03月 足元から湧く春 つながりを取り戻す植物の世界
鈴木純
植物観察家。植物生態写真家。1986年東京都生まれ。東京農業大学で造園学を学んだのち、青年海外協力隊に参加。中国で砂漠緑化活動に従事する。帰国後、国内外の野生植物を見て回り、2018年にフリーの植物ガイドとして独立。野山ではなく、街中をフィールドとした植物観察会を行っている。2021年に第47回東京農業大学「造園大賞」を受賞。著書に『そんなふうに生きていたのね まちの植物のせかい』『種から種へ 命つながるお野菜の一生』(ともに雷鳥社)、『ゆるっと歩いて草や花を観察しよう!すごすぎる身近な植物の図鑑』(KADOKAWA)、『子どもかんさつ帖』(アノニマ・スタジオ)、監修に『はるなつあきふゆのたからさがし』(矢原由布子・アノニマ・スタジオ)、『まちなか植物観察のススメ』( カツヤマケイコ・小学館)ほか、雑誌等への寄稿多数。