毎日食べたい 『整いカレー』 / 著者・齋藤菜々子 / 文化出版局
体調と季節に合わせて
カレーと聞くと必ず思い出すのが、家のカレーです。ザ・カレーと言いたくなるような人参、ジャガイモ、玉ねぎ、そしてその時々で鶏肉や豚肉、牛肉なんかを入れてじっくりと煮込んで作るカレーです。巷ではそういったザ・カレー的なカレーではなく、インド風や欧風などそのレシピは『カレー道』と言ってもいいくらい作る人によっていろいろなこだわりや表現があるのが面白い世界なのだなと少し距離を置いてみていました。というのも、小さい頃から馴染みのあるザ・カレーが一番美味しいのではないのかと思っているタチだからです。
先日面影 book&craftの店長である妻がこの本『整いカレー』の中に載っているレシピ「ツナ缶とじゃがいも、枝豆カレー」を作ってくれました。ザ・カレーの好きなそんな私は、この手のいわゆる“創作カレー”的なものは最初の一口ふた口は興味や新鮮さでスプーンが進むのですが最後に思うのはやっぱり普通のカレーがいいなと思ってしまうのです。けれどどうでしょう。今回作ってくれた「ツナ缶とじゃがいも、枝豆カレー」はモリモリとスプーンが進む進む。あっという間に完食ではありませんか。
というのもこの本『整いカレー』に載っているカレーのレシピは料理家で薬膳師の齋藤菜々子さんが薬膳という視点から季節の野菜などの食材を使い、美味しく無理なく食べ続けながら健康になる知恵としてレシピが考えられています。
章立ても春夏秋冬の四季に加え日本特有の季節といっても良い『梅雨』も加わってまとめられています。さらには体調の症状別の索引もついているので、今自分の体の調子がどんな状態かということに合わせてレシピを選べるようになっているのも嬉しいところ。
家族や自分の健康のために、一冊は家に置いておきたい一冊です。
<目次>
春(春カレー;豚肉とセロリのビネガーカレー(イライラ・貧血・デトックス・花粉症) ほか)
梅雨(梅雨カレー;ツナ缶とじゃがいも、枝豆のカレー(むくみ・重だるい・食欲不振) ほか)
夏(夏カレー;ささみとトマト、梅干しのカレー(ほてり・夏バテ) ほか)
秋(秋カレー;鮭とかぼちゃのバターカレー(咳・乾燥・便秘・免疫力の低下) ほか)
冬(冬カレー;豚肉とかぶの酒粕カレー(冷え・乾燥・アンチエイジング) ほか)
齋藤菜々子
飲食店を営む両親のもとに育ち、大学卒業後に一般企業に就職。忙しい日々の中で食事が心身の充実につながることを実感し、料理の道を志す。料理家のアシスタントを務めながら日本中医食養学会・日本中医学院にて中医学を学び、国際中医薬膳師資格を取得。身近な食材のみを使った作りやすいレシピにこだわり、家庭で実践できる薬膳を提案している。