新版 月と暮らす。: 月を知り、月のリズムで / 著者・藤井旭 / 誠文堂新光社
私たちの暮らす地球と長年寄り添っている『月』。
まだまだ『月』に関しては、分からないことがたくさんありますが明治時代になるまで太陽太陰暦を使ってきた日本人にとって『月』は暮らしの中でのある種のサインとなっていました。例えば、畑に蒔く種は、『満月』の時の方が良かったり、苗の場合は逆に『新月』の方が良かったりします。月と地球の引力の関係で地球の水分量が変化するからだそうです。よくよく考えてみれば、潮の満ち引きも同じこと。この『月』のチカラは多かれ少なかれ地球に暮らす生物にとても大きな影響を与えています。
それを感覚的に知っていた昔の人は、『月』の月齢毎にその月の形を様々な名称をつけたり、様々な表現のモチーフにされてきました。有名なところで言うと、『ティファニーで朝食を』で、主演女優のオードリー・ヘプバーンが劇中で歌った曲も『ムーン・リバー』だったりします。そしてその表現は、静かに暗闇の夜空に光る『月』のように少し寂しげな哀愁を感じてしまうものです。
この一冊は、文学、美術、占星術や神話などの観点からの月についてのいろいろのほか、月明でできる月虹など、月にまつわる興味深い話を数多く紹介されており、読み終えた後、月をより身近に感じることができることでしょう。
是非一冊読んで、夜空を眺めてみてください
【目次】
月の楽しみ
Chapter 1 月のある風景
月のある風景
南の空を行く満月の光跡
地球照
ムーン・リバー
月明かり
月食
皆既月食中の星空
北半球の月、南半球の月
Chapter 2 月の満ち欠け
月齢0 月齢速算法
月齢1 白道
月齢2 三日月
月齢3 地球照
月齢4 ガリレオの暗号文
月齢5 弓張月
月齢6 見かけの大きさ
月齢7 上弦
月齢8 季節の月
月齢9 クレーターの大きさ ほか
Chapter 3 月の光
ムーンボウ
月暈
月の影で起こる日食
今後、日本で見られる金環日食と皆既日食
赤銅色の月
金星食を見よう
月が星をかくす「星食」
Chapter 4 月のことば
月にむら雲、花に風
月満つれば虧く
鏡花水月
ブルー・ムーン
カレンダー
ルナティック
Chapter 5 月の文学
月の歌
雪月花
月天子
竹取物語
源氏物語の月
枕草子の月
お月さまいくつ
盆のような月
酒を把って月に問う
月夜
Chapter 6 月の模様
月の模様
月のうさぎ
がまがえるに変身する仙女
月の桂
月面観望会
月の国旗
雨降りお月さん
月を作った神
Chapter 7 月と暮らし
七夕の渡し守り
中秋の名月
十三夜のお月見
春の潮干狩り
アルテミスの恋
Chapter 8 月世界旅行
月世界へ出かけよう
月世界の裏側大探検
月の誕生
月の資源
遠ざかる月
月面基地
ほかの惑星たちの月
Chapter 9 月を見よう
肉眼で月を見よう
双眼鏡で月を見よう
望遠鏡で月を見よう
月面全図
第1象限の月面図
第2象限の月面図
第3象限の月面図
第4象限の月面図
月の暦 ほか
Column