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まだ見ぬソール・ライター THE UNSEEN SAUL LEITER

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まだ見ぬソール・ライター THE UNSEEN SAUL LEITER / 著者・ソール・ライター、マーギット・アーブ、マイケル・パリーロ / 青幻舎


写真のあちら側とこちら側の世界


 

アメリカの写真家『ソール・ライター』を知ったのは。2017年に東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催された『ニューヨークが生んだ伝説 ソール・ライター展』に足を運んだことがきっかけでした。

息を呑むほど美しい日常のふとした瞬間をおさめた写真は、カラー写真家ならではのワンポイントカラーを意識した構図となっておりこころが揺さぶられるのを感じたのを今でも思い出すことができます。そして写真の展示の間にちょっとした彼の言葉が散りばめられているのもとても印象に残っており、物質性、もしくは現象と言葉との関係性に興味を持った初めての経験だったように思います。この経験は後の自分の仕事、それは紙媒体であれリアルな展示会、ポップアップなどにも影響を与えてくれたとても大切な経験でした。今でも友人などとこのBunkamuraで開催された展示の話を振り返るくらい僕だけでなく色々な方たちに影響をもたらした展示だったのでしょう。


さてそんな出会いをした『ソール・ライター』だったのですが、今回紹介する一冊『まだ見ぬソール・ライター THE UNSEEN SAUL LEITER』は、彼のアトリエに遺された未発表スライドから厳選した彼の真骨頂でもあるストリートフォトを中心にまとめられた写真集になっています。

2013年、『ソール・ライター』が亡くなる直前、ギャラリストとして晩年深く親交したマーギット・アーブに自分の作品を託し、その後、マーギットは夫であるマイケルとともにソール・ライター財団が設立されました。本書には『ソール・ライター』の写真だけでなく、アトリエに無造作に遺されたままになっていた数万点に及ぶ膨大な数のカラースライドを、デジタル化する「スライド・プロジェクト」の苦悩や期待、希望などを振り返った管理者であるマーギットやマイケルたちのコラムも収録されています。


一冊に目を通してみると『ソール・ライター』の写真の美しさはもちろんのこと、この写真を管理していく側の視点からファインダー越しに一瞬の風景を捉えようとしている『ソール・ライター』自身も感じられることができ、その状態でもう一度収録された写真を見てみると撮影者と被写体の境に写真があるということを感じられると思います。


何の変哲も無いものを写してそのなかに“特別な何か"を見つけるのが好きなのです

—ソール・ライター


これは『ソール・ライター』が残した言葉。

特別な何かを是非見つめてみてくださいね。




◆ソールのアトリエ風景、カメラ機材なども公開
◆マウント、フィルム種別、手書きラベルメモ資料など、貴重データベース収録
◆財団スタッフが語る、葛藤と感動の奮闘記
◆プリント技術者が明かすソールの色彩感覚秘話


《収録コラム》
ソールが遺したスライド
膨大なスライドフィルムに埋もれて過ごした貴重な日々
―マーギット・アーブ


人生における大切な要素
ソール・ライターは、生涯、色を愛し、色にこだわり続けた
今ここに、写真家ソール・ライターを振り返る
―マイケル・パリーロ


ディープ・ダイブ
これは、ソールのスライドアーカイブを掘り起こした
ソール・ライター財団の奮闘記である
―マイケル・パリーロ




ソール・ライター

1923年、米ペンシルベニア州ピッツバーグ生まれ。1940年代、絵画のようなカラー写真の先駆者として、また「ヴォーグ」「ハーパーズ・バザー」などの有名ファッション誌の写真家として活躍した。その後2006年、ドイツのシュタイデル社から初の写真集『Early Color』が刊行されると、1940年代後半にしてすでにカラー写真を極めていたその才能に広く注目が集まるようになる。2013年に死去。没後、世界中の美術館で展覧会が開催され、写真集『ソール・ライターのすべて』(青幻舎)など多数出版される。


マーギット・アーブ

ソール・ライター財団の創設者でありディレクター。1996年からライターが亡くなる2013年まで、ハワード・グリーンバーグ・ギャラリーにてライターのエージェントを務めながら、公私にわたり深く交流。これまで『Early Color』、『In My Room』(シュタイデル社)、『ソール・ライターのすべて』をはじめとする、生前から没後にいたるすべてのソール・ライター作品集の編集に携わる。現在は、夫であり共同ディレクターのマイケル・パリーロとともに、ライターが生前に使用していたニューヨークのイースト・ヴィレッジのアトリエに保管されている膨大なアーカイブの維持管理を行っている。


マイケル・パリーロ

ソール・ライター財団の共同ディレクター。編集者及び音楽やライフスタイル関連のジャーナリストとして20年のキャリアを経たのち、2015年に財団加入。『ソール・ライターのすべて』、『ファッション・アイ:ニューヨーク編』(ルイ・ヴィトン)、『In My Room』など、多くのライター関連書籍の編集に携わっている。また、短編映像『Seeing Is a Neglected Enterprise: The Saul Leiter Foundation(2016)の製作総指揮を務めた。

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