流れがわかる! デンマーク家具のデザイン史: なぜ北欧のデンマークから数々の名作が生まれたのか
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流れがわかる! デンマーク家具のデザイン史: なぜ北欧のデンマークから数々の名作が生まれたのか / 著者・多田羅景太 / 誠文堂新光社
デンマーク家具の一つの流れ
面影 book&craftでは、Form & RefineにMOEBEなどデンマークの家具を多く扱っています。それもこれも店主が2015年から2020年にかけて北欧のクリエイターたちにインタビューしたマガジンa quiet dayを制作していたことがきっかけになっています。一番最初に北欧の家具というものを目にしたのは、大学生だったころに今は出版社自体も無くなってしまいましたが、エイ出版というところが出していた北欧スタイルというムック本だったように思います。洗練されているのに主張があまりなく、自分たちの生活にもスッと馴染んでくれそうなトーンやフォルムに共感したことを覚えています。そのムック本に書いてあったのがデンマークの方は初任給が出たら自分のためのとっておきの椅子を買うと習わしにも影響を受け、自身も社会人になり初任給ではなかったように思いますが、貯金を貯めてボーエ・モーエンセンのチェアを購入しました。このチェアはお店の中にディスプレイしています。
さて、本書『流れがわかる! デンマーク家具のデザイン史: なぜ北欧のデンマークから数々の名作が生まれたのか』は、タイトルが内容を全て表していますが、デンマーク家具やデザインがどのような系譜を辿って現在まできているのかということが詳細にまとめられています。しっかりと名の立ったデザイナーの多いデンマークの家具デザイン業界の相関関係がこの一冊を読んで初めて理解できました。時代の流れや社会状況、家具を実際に使用する人々の生活への向き合い方などありとあらゆる条件のもと、デザイナーたちが工夫を凝らして生み出してきたものがしっかりとバトンを渡しながら現在まで来ているということはなんだかとても嬉しいと率直に感じました。
そして行き着く先、本質の部分は、デンマークのデザインの礎を築いただけでなく、「いいデザインが良い暮らしを作り出す」というマインドセットをデンマーク社会全体に行き渡らせるきっかけになったコアー・クリント(1888~1954)が提唱した『リ・デザイン(過去の伝統と訣別するのではなく、むしろそれを真摯に向き合い、調査、分析、研究を行うことで新たにデザインし直すというデザイン方法論)』から端を発していることもデンマークの人々のアイデンティティの一部になっていることも理解できました。
デンマーク家具やデザインが好きな方はもちろん、初めてデンマークの家具デザインを知るという方にも分かりやすい内容になっていると思います。
<目次>
◇CHAPTER 1 デザインの国デンマーク?
「協働の意識」を持ちながら、国民が暮らしやすい社会をデザインしてきた
家具デザインの歴史を理解する上で、押えておきたいデンマークの基礎知識や、デザインがデンマークに広く定着した背景などについて。
◇CHAPTER 2 デンマークモダン家具デザインの流れ
ヴァイキングの時代から、萌芽期、黄金期、衰退期を経て、1990年代中頃から再評価期へ
ヴァイキングが活動していた頃から現代に至るまで、デンマーク家具がどのような変遷をたどってきたかの概略。
◇CHAPTER 3 黄金期を彩ったデザイナーと建築家
クリントをはじめ、モーエンセン、ウェグナー、ヤコブセン、フィン・ユールなどにより、名品の数々が誕生
コーア・クリントをはじめ、ハンス J. ウェグナー、フィン・ユール、ポール・ケアホルムなど、黄金期において特に活躍したデザイナーたちの生い立ちや実績について。
◇CHAPTER 4 デザイナーを支えた家具メーカーと職人たち
名工や技術力の高いメーカーの存在があったからこそ、デンマークの名作家具が生まれた
家具デザイナーや建築家の活動を支えた、主な家具職人やメーカーについて。
◇CHAPTER 5 現在のデンマーク家具デザイン
若手デザイナーの活躍と新しいブランドの登場
どのような流れで衰退期から再評価期へ向かっていったかの解説と、キャスパー・サルトやセシリエ・マンツなど現在活躍中のデザイナーたちの活動や考え方の紹介。
多田羅景太
京都工芸繊維大学デザイン・建築学系 助教。
1975年、香川県生まれ。京都工芸繊維大学卒業後、デンマーク政府奨学金留学生としてデンマークデザインスクールに留学。同校では、ポール・ケアホルム氏に師事したロアルド・スティーン・ハンセン氏の下で家具デザインを学ぶ。デンマーク滞在中、スカンジナビアンファニチャーフェア(コペンハーゲン)などの展覧会に出展。2003年、同校卒業後に帰国。08年までデザイン事務所にて、家具を中心としたインテリアプロダクトをデザインする。現在は、京都工芸繊維大学助教のほか、京都精華大学、福井工業大学においても非常勤講師を務める。ドキュメンタリー映画「ボーエ・モーエンセン、デザイン・フォー・ライフ」の日本語訳を担当。