石の辞典 / 著者・矢作ちはる、絵・内田有美 / 雷鳥社
本書は小さい頃から石にとても興味を持っていた編集や企画業で活躍する矢作ちはるさんがまとめた本書の名前の通り『石の辞典』です。
ページを捲ると鉱物の硬さを10段階で数値化したモース硬度を基準にさまざまな115点もの石が内田有美さんのイラスト付きで紹介されています。
古代の人たちは美しい石には魔力が宿っていると信じていたため、呪術的にそれらを使ったり、身につける装飾品の一部として大切に扱われていました。
こういった石に何か思いや念が込められているのも他の素材よりも納得がいくのがなんだか不思議ですが、かつて縄文人たちが生活をしていた信州の峠の森などを車で移動していると、何やら絶対に意味を持っていそうな石が積まれていたり、信州出身の母からは石を持って帰ってきてはいけないと幼い頃によく言われていたのを思い出します。
巻末のインデックスには石の名前が五十音順に並んでいる他、見た目からも索引ができるように本書で紹介された石のイラストがカラーパレットのように並べられているのがとても綺麗です。
是非ひとつひとつ込められた石の物語を旅するようにみてみてください。
矢作ちはる
ライター、ワタリドリ製作所代表/大手広告会社、出版社の企画・編集職を経て独立。
渡り鳥が軽やかに国境を越えて旅するように、様々なフィールドで活躍する人たちと
一緒にモノづくりをしている(執筆、商品企画、イベントetc)。
趣味はフリープランの一人旅と銭湯巡り。様々な国の手しごとモノや古道具、鉱物など、
人や自然が長い年月をかけて生み出す美しいものを蒐集している。
内田有美
イラストレーター/デザイン事務所勤務後、フリーランスで活動。
雑誌や書籍、広告などの仕事のほか個展での作品発表も行っている。