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ソフトシティ - 人間の街をつくる

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ソフトシティ - 人間の街をつくる / 著者 ディビッド・シム、訳 北原理雄 / 鹿島出版社


世界的な建築家・ヤンゲール氏の事務所「ゲール・アーキテクツ」に所属する都市デザイナー・建築家のディビッド・シムが長らく続けているフィールドワークから見出した人々が心地よく感じられる街づくりについてまとめられた一冊です。

タイトルにもなっている「ソフトシティ」という言葉は、「ソフト」=和らげる・和むという意味、「シティ」は効率や機能を重視した意味を含んでおり、撞着語(相反する意味を持つ言葉からなる熟語)であるとディビッドは語ります。

けれどディビッドが本書で語っていることを紐解くと、この相反する感覚の境界線をどうデザインしていくのかということが、人々の心地よさにつながっていくのだということが理解できることでしょう。

つまりそれは、「あいまいさ」。

プライベート(個)とパブリック(共)。
人と街。
物体と感情。

私たちの住む街にはあらゆる矛盾が含まれていますが、これらを対立させることではなく和らげていくことが街をデザインしていく中でも重要なポイントになっていくことが伺えます。

本書は小難しい理論が文字で綴られているのではなく、9割近くがフルカラーで事例の写真などもふんだんに掲載されています。

はじめの章のテーマが「隣人と暮らす」というのも本書が全体として何に軸足を置いているのかがよく分かります。

章の締めくくりにこうあります。

毎日のように顔を見かけ、定期的に出会うと関係が生まれる。地球、人類、場所に気を配ると、その自覚と理解から時とともに敬意が育つ。考え方が変わるとやがて行動が変わる。

このように、近隣は場所ではなく心の状態である。

一度、ディビッドとも都市論について直接話をしたことがありますが、そんな小難しい話よりも一緒に飲もうぜ!ととても気さくで愛らしく人懐っこい方だったのも良い思い出です。

街づくりに携わっているあなたに是非手に取っていただきたい一冊です。

 

【目次】
日本語版への序
序文 ヤン・ゲール
はしがき
序論 建物のあいだのアクティビティからソフトシティへ
隣人と暮らす
街区をつくる 都市化社会でローカルに暮らす
生活の時間
街に出る、人と交わる 過密化し分断された世界で
生活の重層化
天候と共生する 気候変動の時代に
ソフトは壊れにくい
9つの基準 住みよい都市的密度のために
フォトエッセイ ソフトジャパン――日本各地で目にしたソフトな新旧都市現象
訳者あとがき

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