自然農を生きる / 著者:沖津一 陽 / 発行:創森社
その当時住んでいた埼玉県から奈良県の川口由一さんの田畑見学会にしばしば出かけたものです。清々しい田畑や作物の姿が印象に残っています。自然農には、現代文明のありようを根本から問い直す大事なものがあるように思われました。それで、公務員を辞し、実家の農業を継ぐかたちで自然農に取り組むことにしたのです。(本文より)
私たちは、2021年2月に信州・上田市に移住してきてから面影 book&craftの店舗運営のほかに家庭菜園で『自然農』で野菜や作物を育てています。
農薬を不使用なのはもちろんのこと、耕さず、肥料を与えず自然の営みに任せ、自然のチカラで栽培する自然農に出会ったのは、あるYouTubeでその農法を知ったことがきっかけでした。
小学生の頃にミニトマトをプランターで育てた経験しかなかった私たちは1年間その『自然農』を見よう見まねで実践してきて多くの作物が収穫できた喜びだけでなく、今までよりも自然というものを深く捉えることができ、日々新たな発見を楽しんでいます。
さて、近年世界的にもあらゆる分野で「持続可能性」が叫ばれてきていますが、まさにこの『自然農』は持続可能な農法の一つなのではないのでしょうか。著者の沖津陽一さんは、農林水産省の技術職を辞してから28年間この『自然農』に携わってきています。
私たちが1年やそこらで感じた気づき以上の発見や真理がこの一冊にまとまっています。
冒頭、沖津さんはこう語ります。
「自然農には、現代文明のありようを根本から問い直す大事なものがある」
ページを開いて、是非その大事なものに心を留めてみてください。
【目次】
推薦の言葉─本書を読了して 川口由一
自然農の営みと恵み─「はじめに」に代えて
第1章 自然農とは何か
第2章 農水省勤務から自然農の道へ
第3章 自然農園の四季と田畑見学会
第4章 求められる技術と健康な作物
第5章 自然農なる農業経営と生き方
第6章 自然農の楽しみ、日々の楽しみ
付属資料 一陽自然農園の作付けと収穫(暦)
自然農 学びの場など全国一覧
自然農を専業にして─「おわりに」に代えて