センス・オブ・ワンダー / 著者・レイチェル・カーソン、訳・上遠 恵子、写真・川内倫子 / 新潮社
あなたは『センス・オブ・ワンダー』という言葉を聞いたことがありますか?
直訳すると『驚く感性』といったところでしょうか。何に驚くのかというと、この地球や自然の神秘的な不思議さへの驚きと発見を言い表す言葉として近年再注目され始めました。
著者でもあるレイチェル・カーソン氏は1960年代に環境保護を提唱し始めた女性生物学者。この本には彼女自身が子どもと一緒に暮らしを営む中で新たにハッとさせられた自然の神秘さや不思議さについて物語られています。
子どもと一緒に暮らしをしていると、子どもの目線で物事を捉えてみることができ、また新たな世界に再開するような感覚になるのでしょう。それは発見ということではなく、自分たちが子どもの時に感じていた感覚と再会していく営みなのだということが読み進めていると分かってきます。
未知なるもの、つまり自然をはじめこの世に存在している全ての物事とどう向き合っていくのかということや自然に触れるという終わりなき喜びについて考えさせられる一冊です。
さあ、あなたの忘れてしまった『あなた』に出会い直してみませんか。
目次
センス・オブ・ワンダー
訳者あとがき
<私のセンス・オブ・ワンダー>
福岡伸一:きみに教えてくれたこと
若松英輔:詩人科学者の遺言
大隅典子:私たちの脳はアナログな刺激を求めている
角野栄子:見えない世界からの贈りもの
レイチェル・カーソン
1907-1964年。ペンシルベニア女子大学を卒業後、 ジョンズ・ ホプキンズ大学大学院で生物学を学ぶ。 アメリカ合衆国漁業局 に勤務したのち作家生活に入る。 1962年、 鳥や人に無害な 「奇跡の化学物質」 とされ、 殺虫剤や農薬に広く使われた DDTの危険性をいちはやく告発した 「沈黙の春』を上梓。 世界的な禁止運動の端緒となり、環境保護の先鞭をつけた。