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地球再生型生活記 ー土を作り、いのちを巡らす、パーマカルチャーライフデザインー

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地球再生型生活記 ー土を作り、いのちを巡らす、パーマカルチャーライフデザインー / 著者・四井信治 / アノニマスタジオ



考える生き物として




数年自然農の畑を行なっていると生態系ということに目が向いてきます。外から何か堆肥などを取り入れることなしに、ただそこに生えている草を刈り、畝に敷いていくことを繰り返します。春夏秋冬の季節に関わらず同じことをただ繰り返していきます。もちろん栽培している野菜やハーブの葉の様子や土の湿りの状態、そして大袈裟かもしれませんが、圃場に流れる風の感じなども大事な自然からの便りになってきます。そんなことを繰り返していると数年後には、一年目に生えていた草などの種類が変化していることや、それまで居なかったニホントカゲの姿なども見かけるようになってきたのです。こうした自然界の変化を目の当たりにして環境自体が変化していくことの不思議さや驚きを感じながらも、少し視点を変え自然界側から観てみると、自分が日々行なっている草を刈るという行為も、ある種の自然を破壊している人工的な行為なのだなと思ってしまうこともしばしば。そんなことを考えながら日々観察と実践をしています。


さて、本書『地球再生型生活記』は、パーマカルチャーデザイナーの四井信治さん自らが実践しているパーマカルチャーライフを分析して、そこで感じたこと、明らかになったことを丁寧にまとめている一冊となっています。本書の冒頭で触れられているように、地球というものは一つの生命体であるということを各章を読み進めていると実感いただけるのではないでしょうか。私たち人間、いや生物全般は、何かを生産し消費していきます。今の現代の生活を振り返ってみてみると、自らが生産するというベクトルが極端に短く、そして消費がメインになっていることに気がつきます。理想としては消費と生産がしっかりと循環していくことなのでしょうが、いきなりこの循環を作っていくとなかなかタフなことだと思うので、生産もしくは消費のどちらかからを見直してみるのが良いのでは、なんてこととこの一冊を読んで感じたことでした。


これはあくまで私のイチ意見なのですが、とにかくこの四井信治さんの実践を追体験してみると、あなたも何かできることはないかと考え実践してみたくなるはずです。

我々人間は、考える生き物なのですから。


<目次>

第1章 人は地球のがん細胞なのか?
地球は巨大な生命体 ガイア理論
ウイルスは地球の免疫細胞
大量絶滅は進化のきっかけ
環境を壊すのではなく、豊かにする人の暮らし
 
第2章 持続可能な暮らし【生活実験と考察編】
パーマカルチャーとは
原理を理解し、発展させる
パーマカルチャーとの出会い
山村の古民家でパーマカルチャー的生活実験
家族とともに新天地、八ヶ岳南麓へ
社会の最小単位「家族」として
生活技術が生む美しい風景、石積み
雑木林開墾からの気付き/土の生産性
森林と草原の違い/植生遷移
人類の進化と植生遷移のコントロール
森や里山の活用が土壌を守る
水と土作りが教えてくれた人間本来の役割
竹林開墾からの気付き/竹の活用法
日本のパーマカルチャーの可能性
温室効果ガスを削減する農業へ
理によって生み出される
 
[資料] 暮らしの循環図
コラム 縁が繋いでくれる現場
 
第3章 持続可能な暮らしの仕組み【実践編】
土を作る 〈土の素、堆肥作り/コンポストや堆肥小屋の役割/堆肥は臭くない〉
農園をデザインする 〈半不耕起半草生栽培/等高線に沿った畑のデザイン(コンターガーデン)/互いに助け合うコンパニオンプランツ/農園における果樹の役割/生物多様性を実現する工夫〉
水を巡らす 〈バイオジオフィルターで生活排水を浄化/雨水を無駄なく利用する/アクアポニックスで野菜を育む/自家製の液肥作り〉
エネルギー&資源を活用する 〈太陽熱と光の恩恵を取り入れる/竹害ではなく、〝竹恵〟な暮らし方/畑の恵みを暮らしに活かす〉
道具をあつかう 〈古道具は暮らしの教科書/農業機械はリーズナブルに活用〉
 
第4章 いのちとは 40億年続く仕組み
いのちは集め、蓄えるもの
自己組織化から続く仕組み
続く仕組みの「いのち」から「生命」へ
生物多様性が意味するもの
コミュニティーと、未来の暮らし
地球再生型の暮らしへ



四井真治
パーマカルチャーデザイナー。株式会社ソイルデザイン代表。信州⼤学農学部森林科学科にて緑化⼯学を修⼠課程修了、緑化会社にて営業・研究職、⻑野県で有機農業、有機肥料会社勤務を経て2001年に独⽴。同時期から築130年の古⺠家と農地でパーマカルチャーを実践し、2005年の愛知万博の「ナチュラルフードカフェ&オーガニックガーデン」のパーマカルチャーデザインと施⼯指導を手掛け、プロとして活動し始める。2007年から⼭梨県北杜市へ移住し、社会の最⼩単位である家族だけでどこまで暮らしを築いていけるかの⽣活実験を15年続けている。パーマカルチャーセンタージャパン講師、東北芸術工科大学コミュニティーデザイン学科非常勤講師、環境省「つなげよう、支えよう森里川海アンバサダー」プロジェクトメンバーなどを務める。千葉県⽊更津のクルックフィールズ、⻑野県軽井沢の⾵越学園の「いのちのつながりプロジェクト」のデザインや監修も手掛けている。著書に「地球のくらしの絵本」シリーズ(農⽂協)。

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