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パリ季記 フランスでひとり+1匹暮らし

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パリ季記 フランスでひとり+1匹暮らし / 著者・猫沢エミ / 扶桑社



あなたのパリの時間



パリには二度ほど滞在したことがあります。

一度目は学生時代の卒業旅行で。そして約10年が経ってもう一度降り立ったのはマガジンa quiet dayの取材でJALのマイルが貯まっていたので、たまには北欧以外の国を経由して行くのもありだなと思って行ったのが2度目。そして何故だか毎回シャルル・ド・ゴール空港で足止めを喰らうというお決まりのパターンにぶち当たるのです。

毎回どうしてもギクシャクして始まるパリでの旅ですが、街を歩くたびに思うことがイメージと現実のギャップがとても大きな街なのだなということです。これは10年間の月日が経っても印象として全く同じでした。

片やパリの魅力にのめり込む方たちも多いことのように思います。
これはアートのように見る人や体感する人によって感じ方が変幻自在になっていくような、そんなある種様々な方たちを受け入れてくれるアートのような街がパリなのではないでしょうか。


さて、本書『パリ季記 フランスでひとり+1匹暮らし』は文筆家でミュージシャンの猫沢エミさんが50歳を越えて、二度目のパリ生活をスタートしたタイミングで、16年ぶりに復刊された初めての著書です。
内容はガイドブックのそれとは異なり、リアルに猫沢さんが身一つでパリに移住をした際の苦悩や現実などがリアルに描かれています。

苦悩とはいえ、本書の『はじめに』で猫沢さん自身が当時をこう振り返っています。


「一度目のパリは、孤独とアイデンティティーの喪失から始まる修行期だったけれど、少しずつ自分を見つけていく過程は青春そのものだった」(はじめに より)


そして猫沢さんにとって、「人生において新しい出逢いの詰まった特別濃厚な時期」と青春を定義しているように、本書の内容は猫沢さんがパリという街を解釈し、自分らしく生きていく姿がとても活き活きとしていて読んでいるこちら側も元気になってくる一冊になっています。


あなたは、パリという街をどう解釈しますか。

是非、本書からパリを知ってみるのもいいかもしれません。



<目次>
第1章 私のこと(理由;お金と仕事;パリで家を探す ほか)
第2章 フランスのこと・パリのこと(フランスの常識は日本の非常識!?;パリ症候群;パリの日本人 ほか)
第3章 猫沢的パリ案内(パリの蚤の市;ラスパイユのビオ・マルシェ;パリの映画館プチガイド ほか)


猫沢エミ
ミュージシャン、文筆家、映画解説者、生活料理人。2002年に渡仏。2007年より10年間、フランス文化に特化したフリーペーパー“BONZOUR JAPON”の編集長を務める。超実践型フランス語教室“にゃんフラ”主宰。2022年から二度目の渡仏。

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