新百姓 第000号 / 編集長・おぼけん、発酵人・施依依 / 一般社団法人新百姓
新百姓という生き方
“新百姓とは膨大な生命の連鎖の中で、生かされていることに感謝しながら、つくる喜びを大切にするヒト、その様。日々の衣食住から科学技術、芸術、物語の創造行為を楽しむ。最先端のテクノロジーやシステムにも盲目的に依存するのではなく、積極的に学び、道具として活用する。”
本書の冒頭に書かれている『新百姓』の定義にはこう書かれています。
効率性、合理性、再現性など今の資本主義社会や世の中全般に“当たり前”や“普通”とされていることに限界がきていることは、誰の目にも明らかになってきている今日この頃ですが、このインディペンデントマガジン『新百姓』の創刊号では「問う」というキーワードをテーマとして掲げ、どうすれば既存のシステムの支配や依存から解放されるかということについてまとめられています。
真っ向から既存の資本主義などの今の価値観を否定するわけでもなく、「こっちの選択肢」もあるよと提示してくれているトーンが心地よいです。
それは本書のメインでもあるインタビューにも表れていて、ゴリラ研究で有名な京大元総長の山極先生や連続起業家の孫泰蔵さん、そして『暮らしの手仕事〜くらして』主宰の大和まゆみさんとのお三方との対談では、それぞれの視点や立場からこれからの社会に対する未来や展望が語られていますが、あくまで選択するのはあなたたちというスタンスなのです。
全体を通して、新百姓がどのように世の中を見ていくのかという理解と、社会を考えていく新しい視点を手に入れられそうな一冊になっています。
そして発酵部数についても888部限定となっており、一冊一冊の裏面にシリアルナンバーが刻印してあります。一冊一冊がとても手触り感のあるものになっていきそうです。
新しい視点で行動していきたい方に手に取っていただきたい一冊です。
目次
002 創刊によせて 中沢新一
005 Chapter1 新百姓宣言
039 Chapter2 新百姓的考現学
040 なぜこの場所は人間の創造性を解放するのか?
048 なぜこの場所は資本主義に縛られず、資本主義で遊べているのか?
067 Chapter3 0号特集 どうすれば人間がシステムに支配されない未来を築けるか?
068 山極先生、人間の創造性、その正体ってなんですか?
090 泰蔵さん、なんで人間はシステムに隷属してしまうんでしょうか?
110 まゆみさん、自分の生活を自分でつくるって楽しいですか?
127 Chapter4 新百姓、物語る
128 創刊特別対談 発行人と編集長のなんでだろう対談
136 新百姓に至る問いの変遷
147 Chapter5 新百姓の見方
148 「問う」のコンテキスト
150 『新百姓』100のテーマ
152 YABABON ぼくらの世界の見方を変えたヤバイ本たち[0号参考図書]
156 MUSIC 常識をこえて、自分の道をつらぬく勇気がわいてくる一曲
158 MOVIES 常識をこえて、自分の道をつらぬく勇気がわいてくる一本
176 写真解説
180 グッバイ資本主義 0号 編集後記にかえて