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北欧の照明: デザイン&ライトスケープ

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北欧の照明: デザイン&ライトスケープ / 著者・小泉隆 / 学芸出版社



人間らしい明かり



北欧の街を歩いていると気がつくことがあります。それは道路沿いの家でさえもカーテンなどは閉めずに生活をしているということ。北欧の友人たちにそれを尋ねると、何もやましいことをしていないから隠すことない、とのこと。逆にカーテンなんかを閉めたのなら、何か後ろめたいことがあるんじゃないかと勘繰られるほどなのだとか。このやりとりは所謂、北欧あるあるトーク的なネタの要素もあるかもしれませんが、やっぱり自分で現地を歩いてみてもカーテンをしていない家が多いのです。それは昼夜を問わずで、むしろ夜になると、自分の持っているデザイン照明をお披露目するぞという気概が見えてしまうかのごとく、煌々とくらい道を照らしてくれています。街の中の街灯は明るいとは言えないのに、暗さを感じないのは、こうした道沿いの家々の役割が大きいのでしょう。そしてそうした明かりを見ていると無性に家に帰りたくなってしまう気持ちになってくるのです。


北欧デザインと聞いたらまず思い浮かぶであろう、家具と照明。本書『北欧の照明:デザイン&ランドスケープ』はそんな照明にフォーカスを当てた一冊になります。著者は北欧インテリア業界では名の知れた小泉隆さん。11人の建築家やデザイナーに光を当て、デザインが生まれた背景や後世のデザイナーたちへの影響など幅広い視点から北欧の照明が語られています。言葉を選ばず言ってしまうとするなら、北欧の照明のマニアックな部分がふんだんに網羅されています。特に北欧照明に多大なる影響を与えたポール・ヘニングセンの章は力の入れ具合を感じ取ることができます。というより、裏を返せば絶対に外せない存在のデザイナーなのです。


家の空間の中に北欧の照明を取り入れることは、こころの豊かさにも繋がってくると思います。そんなアイデアやヒントの一冊になれば嬉しいです。



<目次>

Introduction │ 北欧の照明デザインについて


Poul Henningsen│ポール・ヘニングセン(1894-1967)

ポール・ヘニングセンの人物像と多彩な活動

ヘニングセン自邸

ヘンネ・メッレ川のシーサイドホテル

ヘニングセンの照明理論

初期の照明デザイン

パリランプ

フォーラムランプ

3枚シェードのPHランプの特質

世界中に普及した3枚シェードのPHランプ

ルイスポールセン社との関わり

オーフス駅の3枚シェードのPHランプ

デーンズ・ランドリーのPHグローブとPH蛍光灯

PHセプティマと4枚シェードのPHランプ

チボリ公園の照明

戦時中の紙製プリーツランプ

PH5

PHコントラスト

ランゲリニエ・パヴィリオンのPHアーティチョークとPHプレート

PHルーブルとPHスノーボール

オーフス大学メインホールのスパイラルランプ

オーフス劇場のダブルスパイラルランプ


Alvar Aalto│アルヴァ・アアルト(1898-1976)

キャンドル器具のデザイン

PHランプが設置された初期の作品

労働者会館の照明

標準仕様の照明器具

パイミオのサナトリウムの照明

ヴィープリの図書館の照明

アルテック社の設立

アルテック社の照明工場

レストラン・サヴォイとゴールデンベル

マイレア邸書斎の照明

ルイ・カレ邸の展示照明

球形のスポットライト

有機的なフォルムを用いたランプ

円筒形のペンダントランプ

ポール・ヘニングセンからの影響

リング状のシェードで光源を包み込んだ照明

小型の照明器具

図書スペースの照明

自然光と人工光の調和

ユニークな外灯

窓辺のペンダントランプ

暗さを楽しむ照明

小さな灯りを束ねた照明

ペンダントランプ群による空間の演出


Kaare Klint│コーア・クリント(1888-1954)

クリント家とレ・クリント社

工房での職人による手作業

日本の提灯や行灯からの影響


Vilhelm Lauritzen│ヴィルヘルム・ラウリッツェン(1894-1984)

ラジオハウスの照明


Arne Emil Jacobsen│アルネ・ヤコブセン(1902-1971)

オーフス市庁舎の照明

SASロイヤルホテルの照明

ムンケゴーランプ

ロドオウア市庁舎の議場の照明


Finn Juhl│フィン・ユール(1912-1989)

国際連合本部ビル信託統治理事会会議場のブラケットランプ

二重シェードの照明器具

自邸の照明コレクション


Hans Jørgensen Wegner│ハンス・ J ・ウェグナー(1914-2007)

ザ・ペンダントとオパーラ

初期のドローイングに見る照明デザイン

ウェグナーと名づけられた街路灯


Jørn Utzon│ヨーン・ウッツォン(1918-2008)

建築作品にも通じる照明器具のデザイン


Erik Gunnar Asplund│エリック・グンナール・アスプルンド(1885-1940)

イェーテボリ裁判所増築部の照明

ストックホルム市立図書館の照明

森の火葬場の照明


Erik Bryggman│エリック・ブリュッグマン(1891-1955)

復活礼拝堂の照明


Juha Ilmari Leiviska│ユハ・レイヴィスカ(1936-)

浮遊する照明器具


資料編

年表

事例・所在地リスト

参考文献


あとがき



小泉 隆
九州産業大学建築都市工学部住居・インテリア学科教授。博士(工学)。
1964年神奈川県横須賀市生まれ。1987年東京理科大学工学部建築学科卒業、1989年同大学院修了。1989年東京理科大学助手、1998年T DESIGN STUDIO共同設立。1999年九州産業大学工学部建築学科。2017年4月より現職。2006年度ヘルシンキ工科大学(現:アアルト大学)建築学科訪問研究員。
主な著書に『北欧の建築 エレメント&ディテール』『アルヴァ・アールトの建築 エレメント&ディテール』(以上、学芸出版社)、『北欧のモダンチャーチ&チャペル 聖なる光と祈りの空間』(バナナブックス)、『フィンランド 光の旅 北欧建築探訪』『アルヴァル・アールト 光と建築』(以上、プチグラパブリッシング)など。

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