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モモ

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モモ / 著者・ミヒャエル・エンデ、訳・大島かおり / 岩波少年文庫


人間のこころにある時間はどこへ

 

いわゆる児童文学で名著とされている『モモ』。

自分も小学校6年生の時の学芸会(年に一度保護者や外部の方々を招き、演劇を学年ごとに披露する会)でこちらの『モモ』を題材に演劇を行なった記憶があります。自分は、その学芸会では、『モモ』の中でも重要人物の一人でもある『マイスター・ホラ』を演じました。今回『モモ』を読んだのはそれ以来ですが、いつ読んでも色褪せない内容というのが魅力的です。


本書は「時間」がテーマの物語です。
廃墟となった円形劇場に住みついた、粗末な身なりをした少女モモ。街の人々は相談をし、モモの面倒を見ることになります。モモに話を聞いてもらうと硬くなった心が柔らかくなり悩みが消えていく……。不思議な力を持つモモは、街の人にとってかけがえのない存在になっていくのでした。しかしそこに怪しい時間どろぼうである「灰色の男たち」が現れ、「時間」を貯蓄銀行に貯めると命が倍になるという彼らの言葉を信じた街の人が「時間」を預けてしまい、町の中から「時間」が奪われてしまい、それをモモが解決していくというストーリーです。


驚いたのがミヒャエル・エンデのあとがきを読むと、この物語はある電車での旅の時に一緒に乗り合わせた年齢不詳の奇妙な乗客から聞いた話を思い出しながら書いたというところ。そしてその乗客は最後にこんな一言を付け加えました。

「いまの話を過去におこったように話しましたが、将来おこることとしてはお話ししてもよかったんですよ。わたしにとっては大きな違いはありません。」と。

この一文を読んだ時に、その謎の乗客はマイスター・ホラだったんじゃないかなと思ってしまうのでした。


さて、改めて自分たちの生活を振り返ってみると何か思い当たる節がありそうですね。「お金」や「名声」、「いつかの未来」などのために「時間」を手放してしまって、結果、訳もわからず忙しくしているなんてことが日常には溢れかえっています。
今を生きないと「時間」は知らぬ間に自分たちのこころの中から消え去ってしまうというのでしょうね。


あたなの「時間」は、時間どろぼうに奪われていたりはしませんか。



ミヒャエル・エンデ
1929年、ドイツ南部の町ガルミッシュで生まれる。父はシュールレアリスムの画家エトガー・エンデ。1950年から俳優として演劇活動をおこない、そのかたわら、戯曲、詩、小説を試作する。1960年『ジム・ボタンの機関車大冒険』を発表。この作品で1961年にドイツ児童文学賞を受賞。その後、『モモ』、『はてしない物語』(ネバーエンディングストーリー)などを発表。現代社会を鋭く見つめて描かれた作品は、児童文学の枠を超え、世代や国境を越えて世界中に愛読されている。『モモ』の日本語版は150万部を突破し、ドイツ語版に次いで多く読まれている。1989年、東京などで「エンデ父子展」が開かれる。同年、『はてしない物語』の訳者佐藤真理子氏と結婚。1995年、胃ガンにより66歳で逝去。生前、自分のもつほとんどの資料を信濃町に提供。 1991年にエンデ資料を世界で唯一常設に展示する黒姫童話館が開館した。