デザインのアトリエ 活版印刷 / 著者・ギャビー・バザン、翻訳・みつじ まちこ / グラフィック社
活字と印刷の歴史
こうして毎日本を読み、紹介することができるのは昔から改良を重ねられてきた印刷技術の賜物です。そしてそういった技術の積み重ねがなければ、わたしたちが得られる知識や触れられる情報量が全く異なるので、技術が今とは異なる進歩を遂げていたら、きっと今とは異なる文明や文化になっていたことでしょう。それほど、わたしたちは文字情報の恩恵を日々知らぬ間に受けているのです。
本書『デザインのアトリエ 活版印刷』は、フランスのアーティストのギャビー・バザンが古代の複製技術からグーテンベルクの活版印刷機の誕生、そして活版印刷のしくみまでを分かりやすくイラストでまとめた大人から子どもまで楽しめる、活版印刷をテーマにした絵本になっています。
少しレトロで愛くるしい色合いで描かれたイラストはアニメーションとして今にも動き出しそうです。
親戚のお子さんへのプレゼントなどに良さそうな一冊です。
ギャビー・バザン
1992年生まれ。南フランスの地中海沿岸で育つ。
パリのフランス国立高等装飾美術学校でプリントイメージを専攻し、活版印刷や製本技術を学ぶため、トリノやプラハに滞在。
美術学校修了後の2015年より、パリ郊外のサン・ドニにあるアーティスト・クリエーターのための共同施設、ラ・ブリシュ(La Briche)にアトリエをかまえ、ことばとイメージの関係性をテーマに、印刷技術の豊かさとその歴史を探求する創作活動を続けている。
みつじ まちこ
1964年、三重県生まれ。
洋書絵本輸入会社を経て、絵本、アート、食の分野を中心に、英語とフランス語の翻訳、執筆、編集にたずさわる。
そのかたわら、さまざまな絵本コレクションのアーカイブづくりに取り組む。
おもな訳書に、ガートルード・スタイン『世界はまるい』(アノニマ・スタジオ)、ミーシャ・リヒター『エリックとマチルダ』(新教出版社)、P・メンツェル+F・ダルージオ『地球の食卓』(TOTO出版)など。