『コトノネ』vol.47 / 発行・株式会社コトノネ生活
一緒にやるという意味
先日、仕事の打ち合わせと家族旅行をかねて、信州・安曇野に1泊2日で旅をしてきました。子どもが歩けるようになり、あちらこちらを動き回れることで親の私たちも常に気が気でないという中での初めての経験でしたが、終わってみれば家族としての大切な記憶の一ページとなることができて少しだけホッとしています。
さて、その中の一コマ。前日に私たちの打ち合わせなどに付き合ってもらったこともあり、この日は子ども優先でと考えていたため、安曇野ちひろ美術館に芝生の広場で目いっぱい遊んでもらおうと連れていきました。
平坦でしっかりと整備された緑色の芝生の上を歩いたり、走ったりしてくれるものなのかなと思ってベビーカーから降ろしてみても私たちにしがみつき遊ぼうとしないのです。初めての場所だったので多少の緊張などもあるのかなと様子を見ていても、思い描いていた芝生を駆け回る姿はなかなか見られません。そんな時、ふと自分がそこから遠くの彼方に駆け出して見たところ、子どもも楽しそうにはしゃぎ、自分の元へと走り始めてくれたのです。その後は炎天下の空の下、案の定と言っても良いのですが、2人とも汗だくとなり疲労困憊で旅の帰路に着くのでした。
さて、本書『コトノネ』vol.47は、『走って、転んで、ケンカして』と題して、子どもの遊び場や居場所について特集としてまとめてあります。子どもたちが遊べる広場を運営しているところへの取材などに目を通してみると、子どもたちが何かに挑戦したいという気持ちなどが入り込む余白をいかにデザインしていくのかという部分が肝になっているのだなと感じられます。
私たち大人はそこに無いモノを探して無理にそこに無い未来に向かおうとするけれど、子どもたちは今あるモノの中で自分がやりたいモノやコトを探して創り出していくという言葉を特集から受け取ることができました。
そして何かを行なう際には、一緒にやるという姿勢がとても大事なのだと考えさせられます。
そう。子どもに芝生を駆け回って欲しかったら、自分が夢中で駆けることが大切なのです。
■コトノネグラビア
寂として ーstill timeー(竹腰隼人)
■特集1 走って、転んで、ケンカして
遊びは「自分持ち」で
「遊びのチカラ」がみんなを巻き込む
■ぶっちゃけインタビュー43
島づくりの鳥
川上和人(鳥類学者)
■連載 突撃!となりの農福師
■連載「協同労働」という生き方
うどん屋と当事者研究と町の居場所づくり
(労働者協同組合ワーカーズ コープ・センター事業団北海道事業本部)
■キャンプ場の福祉
■特集2 「仕事」が自分事になる
ーオムロン京都太陽の仕事術
■シリーズ障害者の就労事例45
総務課の星(株式会社パルライン)
【連載コラムほか】
■ことばを授かる
■あいまいで、たよりない、それをたのしむ 前廣美保
■身障者いがらしみきお いがらしみきお
■里山学 永幡嘉之
■絵話の作法 藏座江美
■新しいフクシの風
■アートが、目ざめる
■南相馬21.5キロ日記 古市貴之
■Cafeそれいゆの窓から 大嶋栄子
■よう来たな みっちゃん 野々村光子
■『のんびる』さんから
■支え、支えられ
■ジャパンフーズプロジェクト